救急救命士として知っておきたい搬送動作の原則―

救急現場で傷病者を搬送・移乗させるとき、あなたはどんな姿勢で動いていますか?
国家試験でもたびたび出題される「ボディメカニクス(Body Mechanics)」は、実はあなた自身の腰を守るための超重要知識です。

今回は、国家試験に頻出のポイントに加えて、現場で活かせる実践例も交えて、徹底解説していきます!

ボディメカニクスとは?

ボディメカニクスとは、
「骨・筋肉・神経など運動器の構造と動きを、力学的に分析して、安全・効率的に身体を動かす技術や知識」のこと。

【POINT】

  • 救急救命士にとっては腰痛・ケガの予防に直結する。
  • 傷病者の安全でスムーズな搬送にも欠かせない。

国家試験で問われる「ボディメカニクスの原則」

ここは要チェック!試験に出やすい「基本原則6つ」はしっかり押さえておきましょう。

原則解説
① 体重移動を活用する腕力に頼らず、足と体重で重心を移動させて動く
② 重心を低く保つ膝を曲げて腰を落とすことで、安定した動作ができる
③ 傷病者や物体に近づく距離が遠いと腰に大きな負担がかかる
④ 腰を曲げず、膝を曲げる腰でなく膝を使って持ち上げるのが基本
⑤ 正中線を意識する荷重を体の中心で支えるとバランスが良い
⑥ ねじれ動作を避ける体をひねると腰椎に負担が集中しやすい

👉 「腰を曲げて物を持ち上げたときにかかる腰椎への負担」は、体重の何倍にもなるといわれています!

よくある失敗例とリスク(そのまま出題される可能性あり!)

失敗例危険性
腰を丸めて持ち上げる腰椎に強い剪断力 → 腰痛・ヘルニア
遠くから持ち上げる重心がずれてバランスを崩しやすい
身体をねじる腰部捻挫や椎間板障害のリスクが高まる

このような失敗は、選択肢の“間違っているものを選べ”系の問題で出やすいです!

現場での具体例:どう使う?どう守る?

担架搬送(2人以上)

  • 傷病者と担架に密着
  • 膝を曲げて腰を落とす
  • タイミングを合わせて「せーの」で持ち上げる

車椅子移乗

  • 車椅子をできるだけ近づける
  • 自分の膝で支えて、体重移動で移す

👉 いずれも「体をねじらない」「傷病者に近づく」ことがキーポイント!

試験対策まとめ(ここだけ覚えてもOK!)

📌 体重移動を活用して、
📌 重心は低くして、
📌 傷病者に近づき
📌 腰ではなく膝を曲げて
📌 正中線を意識して、
📌 絶対にねじらない!

これがボディメカニクスの鉄則です。

🎓 おわりに:なぜボディメカニクスが問われるのか?

国家試験では、現場での安全管理とリスク回避能力が問われています。
ボディメカニクスを理解している=自分と傷病者の両方を守れるプロということ。

現場に出ても、国家試験でも、きっとあなたの助けになります。
繰り返し問題演習と実技練習を通して、身につけましょう!

By TETSU十郎

https://gravatar.com/patroldifferent1a0b6e1b63