揚げ物の油から火が出たらどうする?水をかけてはいけない理由と消火・避難の判断

「揚げ物をしていたら、鍋の油から火が出た」

「こんろの火を消せば、油の炎も消える?」

「消火器がない。水や濡れたタオルを使っていい?」

揚げ物の油から火が出たら、水をかけず、燃えている鍋を動かさないでください。周囲に火事を知らせ、危険な場所から離れて119番通報します。加熱を止めるのは、安全に操作できる場合だけです。今まさに油が燃えている場合は、この記事を読み進めるより、避難と通報を優先してください。

この記事でわかること

① 油火災で水をかけたり、燃えている鍋を動かしたりしてはいけない理由。

② 初期消火を中止して避難する目安と、119番で伝える内容。

③ IHを含む油火災の予防と、消火器具や家族の備え。

初期消火を試みるかどうかは、火の大きさだけで決めません。通報や家族の避難を後回しにせず、煙や熱さ、逃げ道、使える消火器具を確認します。迷う場合は避難を優先してください。

・炎が大きい、煙が増えている、逃げ道に不安がある:消火を試みず、安全な場所へ避難して119番通報する。

・こんろの操作部へ安全に手が届く:加熱を止める。ただし、炎や煙に近づいたり、燃えている鍋の上に手を伸ばしたりしない。

・油火災に使える消火器具がすぐ使え、出口へ離れられる:危険を感じない範囲で初期消火を検討する。煙や熱さ、燃え広がりがあれば中止する。詳しい判断の目安は第3章で説明します。

・消火器具がない、使い方が分からない:水や食品で代用せず、離れて119番通報する。

・炎が消えた:鍋を動かさず、水を入れず、発火したことと現在の状況を119番で伝える。

加熱を止めても、すでに燃えている油の炎が消えるとは限りません。炎が消えても、高温の油は再び燃えることがあります。鍋の中だけの火でも油断せず、発火したことを消防へ伝えてください。(参考:油の再発火への注意)

この記事は、家庭の鍋やフライパンで使う食用油の火災を対象にしています。飲食店の大型フライヤー、ガソリンや灯油の火災、電気設備の火災などに、同じ手順をそのまま当てはめないでください。

目次

1 揚げ物の油に水をかけてはいけない理由

水が一気に水蒸気になり高温の油を飛び散らせる

消防庁消防研究センターは、燃えている天ぷら油に水を入れると、水が一気に水蒸気となって高温の油を周囲へまき散らすため、危険だと説明しています。飛び散った油によって、やけどや火災の拡大につながります。

コップやペットボトルの水もかけないでください。少量なら安全という扱いはできません。冷やそうとして鍋を流し台へ運ぶことも避けます。

野菜や食品を入れて消そうとしない

水分を含んだ野菜などを入れることも、高温の油が飛び散る原因になります。消防研究センターは、水の注入だけでなく、水分を含むものの投入にも注意を促しています。

マヨネーズを入れる消火方法も試さないでください。消防研究センターは、条件によって油があふれて火災が拡大するなどの危険があるため、勧めていません。

2 火が出た直後は周囲に知らせて安全を確保する

一人で解決しようとせず火事を知らせる

鍋から炎が上がったら、「火事です」「台所の油から火が出ています」と周囲に知らせます。東京消防庁も、火災発見時には大声で知らせ、通報や避難などの役割を分担することを案内しています。

家族がいる場合は、例えば「119番をお願いします」「子どもと外へ出てください」と具体的に頼みます。助けを求める相手に、何をしてほしいかを短く伝えてください。

一人の場合は、消火と通報を終えるまで台所にとどまらないでください。危険があれば離れてから119番通報します。消火器を取りに行くために、火や煙へ近づいたり、避難後に戻ったりしないでください。

加熱を止めるのは安全に操作できる場合だけ

ガスこんろでは操作つまみやボタン、IHでは停止操作で加熱を止めます。ただし、安全に操作できることが前提です。消防研究センターも、可能であればガスこんろなどの火を止めるよう案内しています。

操作のために顔を炎へ近づける、燃えている鍋の上に腕を伸ばす、煙の中へ戻るといった行動は避けてください。操作部に安全に届かない場合は、加熱を止めることより避難を優先します。

元栓を閉めようとして、こんろの下や奥へ入り込まないでください。安全に加熱を止められない場合や、止めたか分からない場合は、確かめに戻らず、119番で伝えます。加熱停止のために、燃えている鍋を持ち上げることもしないでください。

3 消火を試みるか避難するかを判断する

天井に達する前でも危険なら避難する

東京消防庁は、消火器による初期消火の限界の目安として、炎が天井に達するまでを挙げています。同時に、危険を感じた場合は直ちに避難するよう案内しています。 天井に達するまで消火を続けてよい、という意味ではありません。

換気扇やレンジフード、棚などへ燃え広がる前でも、煙や熱さで対応できなくなることがあります。油火災では、炎の高さに加え、周囲への燃え広がりと逃げ道も確認してください。

次のいずれかに当てはまる場合は、消火を試みず、消火中なら中止して避難してください。消防機関の初期消火の注意点を踏まえた、この記事の判断の目安です。(参考:初期消火の注意点/簡易消火具の使用方法)

①熱くて近づけない、顔や手を安全に保てない。

②煙が増えて見通しが悪い、呼吸が苦しい。

③火が鍋の外へ燃え広がっている、炎が天井に達している。

④出口へすぐ離れられない、火や煙が逃げ道をふさぎそうになっている。

⑤消火器具を安全に使えない、使い方が分からない。

一つでも当てはまる場合や、判断に迷う場合は避難を優先してください。すべて当てはまらなくても、安全に消せる保証はありません。状況が変われば直ちに中止します。

逃げ道を確保できない場所で消火しない

消火する場合は、失敗しても離れられる位置で行います。東京消防庁は、逃げ口を背面にして消火することを案内しています。 火の奥へ回り込まず、出口へすぐ離れられる位置を保ってください。

消火器があっても、出口へ戻れない位置に立つ必要があるなら使わないでください。火や煙が広がる中で、消火器を使い切るまで頑張る必要はありません。

煙を避けて離れ避難後は戻らない

煙があるときは姿勢を低くして避難します。大阪市の資料でも、煙がある場合の低い姿勢と、避難後は室内へ戻らないことが案内されています。

台所などから退出する際、安全にできるならドアを閉めます。ただし、閉めるために火や煙へ近づいたり、避難を遅らせたりしないでください。台所にドアがない場合は、閉めることにこだわらず離れます。(参考:火災時の避難)

屋外などの安全な場所へ出たら、消火器や荷物を取りに戻らないでください。逃げ遅れがある場合も、人数と最後にいた場所を119番で伝え、消防隊へ知らせます。

家全体での初期消火と避難の考え方は、次の記事でも解説しています。

関連記事:家で火事が起きたらどうする?初期消火・119番・避難の正しい判断と行動

4 消火器を使う場合は適応表示と使用方法を守る

油火災に使えるかを普段から確認する

消火器具は、火災が起きる前に、本体の表示と取扱説明書で次の3点を確認しておきます。(参考:油火災に使う消火器具/初期消火の注意点/簡易消火具の使用方法)

① 家庭の天ぷら油火災に使えるか。

② どの距離から、どのように放射するか。

③ 使用期限や本体の状態に問題がないか。

エアゾール式簡易消火具は、スプレー缶の形をした消火用の製品です。日用品のスプレーで代用しないでください。横浜市は、簡易消火具を消火器の代替ではなく補助的なものと説明し、用途に合った製品の使用と避難路の確保を案内しています。

火災が起きてから説明書を探したり、適応するか分からない製品を試したりしないでください。使えると確認できた器具がすぐ手元にない場合は、避難を優先します。

近づきすぎず製品が示す方法で放射する

安全ピン、ホースやノズル、レバーがある消火器では、それぞれを操作して放射します。スプレー型などでは手順が異なるため、使う製品の表示に従ってください。油火災への放射距離と向け方も、普段から確認しておきます。

近づきすぎて薬剤を放射すると、高温の油が飛び散る危険があります。横浜市の簡易消火具の説明でも、近づきすぎないことが示されています。 また、東京消防庁は、天ぷら油火災へ消火器を使うと、一時的に火の勢いが強くなることがあるため注意するよう案内しています。

放射しても炎が収まらない、周囲へ燃え広がる、視界が悪くなるなどの場合は、消火を続けず避難します。別の器具を取りに戻ったり、消火器が空になってから水へ切り替えたりしないでください。

粉末か液体かだけで選ばない

粉末消火器は炎を抑えても再び燃えることがあり、狭い室内では粉末によって視界が悪くなることにも注意が必要です。(参考:初期消火の注意点) 一方、液体の消火薬剤にも種類があります。「粉末は使えない」「液体なら必ず安全」という区分で選ばないでください。

油火災への適応表示を確認し、自宅で扱える製品を選ぶことが大切です。消防研究センターも、消火薬剤には種類があるため、天ぷら油火災への有効性を確認した器具を選ぶよう案内しています。

消火器一般の説明に「消火後に水をかける」とあっても、高温の食用油には当てはめないでください。油火災への対応は、対象に合った製品の説明に従います。

5 燃えている鍋を運ばず自己流の消火を試さない

流し台や屋外へ運ぼうとしない

「流し台なら水を使える」「外へ出せば家が燃えない」と考えて、燃えている鍋を持ち上げないでください。小山市消防本部も、鍋を屋外へ運ぶ行動について、やけどの危険を案内しています。

熱い鍋や油を持って移動する行動は、自分だけでなく、近くの家族にも危険を及ぼします。床や通路へ油をこぼせば、避難の妨げにもなります。鍋を移すことを解決策にせず、人が火や煙から離れるようにします。

ふたや濡れタオルは誰でも安全に使える方法ではない

消防機関には、鍋をふたで覆う方法や、水が垂れない程度まで絞った濡れタオルで鍋全体を覆う方法を紹介する資料があります。(参考:天ぷら油火災の予防と対応/天ぷら油火災の消火方法) ただし、燃えている鍋へ近づく行動を伴います。

紹介されている手順には、鍋全体を覆うこと、やけどや転倒を防ぐこと、消えた後もすぐに外さないことなどの注意点があります。濡れタオルで覆う方法は、水を鍋へ注ぐ行動とは異なります。水が滴る布を、そのまま燃えている油へかぶせないでください。(参考:天ぷら油火災の消火方法)

本記事では、準備や訓練のない人へ一律の消火手段として勧めません。使える消火器具がなく、安全に対応できない場合は、タオルや代用品を探すより避難と通報を優先してください。

すでにふたやタオルで覆い、炎が消えた場合は、中を確認するためにすぐ外さないでください。さいたま市の案内でも、タオルを取ると再び燃えることがあるため、覆ったまま119番通報するよう示されています。

6 油から火が出たら119番で状況を伝える

消せるか試してから通報する必要はない

油から発火したら119番通報してください。初期消火の結果を待つ必要はありません。家族がいる場合は、通報と避難の支援を具体的に頼みます。(参考:火災時の通報)

一人の場合は、安全な場所へ離れてから電話します。電話を持ち出すために危険な場所へ戻ったり、煙の中で通話を続けたりしないでください。

最初は、例えば次のように伝えます。

「火事です。自宅の台所で、揚げ物の油から火が出ています。住所は○○です」

その後、指令員の質問に従い、分かる範囲で状況を説明します。住所、建物名、階や部屋番号を伝えた上で、家族の避難状況やけが人の有無も知らせてください。(参考:火災時の通報)

・鍋の中の油が燃えている。

・周囲にも火が広がっている。

・家族は外へ避難している。

・加熱を止められたか分からない。

・消火器を使ったが、まだ炎が見える。

確認できたことを短く伝えれば十分です。原因の推測や、通報のための再確認は必要ありません。安全に確認できない内容は「分かりません」と伝えてください。

逃げ遅れやけがは通報時に知らせる

室内に残っている人がいる場合は、その人数と最後にいた場所を分かる範囲で伝えます。助けに戻ろうとして、煙のある室内へ入らないでください。

油がかかった、やけどをした、煙を吸ったなどの場合も、火災の通報中に併せて伝えます。けが人がいることを知らせるために、消防への通報をいったん終える必要はありません。

苦しそうにしている、反応がおかしいなどの変化があれば、指令員にそのまま説明してください。危険な台所で手当てを続けず、安全な場所で指示を受けます。

7 炎が消えても鍋を触らず消防に確認してもらう

見える炎が消えたことだけで安全と判断しない

油火災では、炎が消えたことと、油の温度が十分に下がったことは同じではありません。東京消防庁も、油温が下がらなければ再び発火することがあると説明しています。

消火器で炎が見えなくなったときや、ふたで覆って火が収まったときも、すぐ片づけないでください。通報がまだなら、119番で「揚げ物の油から発火しました。今は炎が見えません」と伝えます。

通報中に炎が消えた場合も、その変化を指令員に知らせます。自分で消えたと判断して電話を切ったり、消防は来なくてよいと決めたりせず、指示を受けてください。

周囲の棚や換気扇などへ燃え移った可能性がある場合は、そのことも伝えます。確かめるために触る、収納を開ける、煙のある台所へ戻るといった行動は避けてください。

冷ますつもりで水を足さず片づけを急がない

火災後の鍋へ水を入れたり、流し台で洗ったりしないでください。消火薬剤が付着した状態でも、内部の油が安全な温度になったと自己判断しないようにします。

消防へ状況を伝え、鍋や周辺の取り扱いを確認するまでは、次の行動を避けてください。

・鍋を持ち上げて移動する。

・ふたやタオルを外して中をのぞく。

・水や別の液体を注ぐ。

・油を別の容器へ移し替える。

・こんろを再び使って調理を続ける。

油が冷めるまでの時間は、量や鍋、加熱・消火の状況によって異なります。「何分待てば触れる」という一律の時間は示せません。自己判断で片づけず、消防へ状況を伝えて確認してください。

8 IHでも油火災が起きるため使い方を確認する

炎を使わなくても油は過熱する

IHクッキングヒーターでも、油の過熱による火災は起こります。ガスの炎を使わないことと、油が発火しないことは別です。

NITEは、説明書で定められた量より少ない油で揚げ物をすると、温度が急上昇し、温度センサーが正確に測れず、発火するおそれがあると説明しています。揚げ物調理で通常の加熱メニューを選ぶことや、反り・変形のある鍋を使うことも、センサーが正しく働かなくなる原因として挙げています。

「少量だから安全」「IHなので目を離しても大丈夫」と判断しないでください。揚げ物に使える鍋、油量、調理モードなどは、自宅の機種の取扱説明書で確認します。

揚げ焼きも自己流の油量で加熱しない

揚げ焼きなど、少ない油で調理する場合も、その機種で使える鍋、油量、モードを取扱説明書で確認します。揚げ物モードの条件を、別の調理法へ自己判断で当てはめないでください。

安全機能や揚げ物モードを使っていても、調理中はその場を離れないでください。機能を過信せず、説明書に記載された条件を守って使います。(参考:IH調理器の発火事故/調理中の見守り)

9 油火災を防ぐために見直したい5つの習慣

① 調理中は台所から離れない

東京消防庁は、調理中はその場を離れず、離れるときは必ず火を消すよう案内しています。 電話、来客、子どもの呼びかけなどで離れる場合も、先に加熱を止めてください。タイマーや安全装置を、見守りの代わりにしないことが大切です。

② 指定された鍋や油量と設定を守る

IHやガスこんろの説明書を読み、揚げ物に使える鍋、油量、機能を確認します。普段の炒め物の設定が、揚げ物にも適切とは限りません。

NITEは、調理家電のモード選択やタイマー設定を確認し、説明書の注意事項を守るよう呼びかけています。 家族で使う器具なら、操作方法も共有してください。

③ こんろ周辺へ燃えやすい物を置かない

鍋の周囲や熱くなる場所へ、食品の包装、紙、布巾などを置かないようにします。NITEは、こまめな掃除と、熱くなる場所に調理器具以外の物を置かないことを案内しています。

掃除や配置の見直しは、器具が安全に扱えるときに行います。鍋が燃え始めてから周囲の物を取り除こうとして、炎の近くへ手を伸ばさないでください。

④ 消火器具を使える状態で備える

置き場所、使用期限、適応火災、操作方法を、火災が起きる前に確認します。こんろのすぐ奥など、火が出たときに取り出すため近づかなければならない場所は、配置を見直してください。

家族が場所を知らない、物に埋もれて取り出せない状態では、備えていても使えません。消防署などの消火訓練を利用し、操作を練習する機会も設けましょう。

⑤ 家族で避難と通報の役割を確認する

子どもには、火が出たら鍋へ近づかず、大人に知らせることを伝えます。大人も、周囲へ知らせるために家族を台所へ集めないでください。子どもや自力で避難しにくい人を、火や煙から離れた安全な場所へ誘導します。

大人同士では、誰が通報するか、子どもや自力で避難しにくい人を誰が支援するかを話し合います。一人のときは、安全な場所へ離れてから通報する行動を確認しておきましょう。

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揚げ物の火災予防と、家庭の備えに役立つもの

調理中に鍋から目を離さないことが、火災予防の基本です。調理時間を意識するためのタイマーと、火災を早く知らせる住宅用火災警報器を紹介します。

調理時間を意識する補助に

タニタ でか見えタイマー
TD-384 ホワイト

大きな表示で残り時間を確認しやすいキッチンタイマーです。マグネットとスタンドが付いており、調理時間を意識するための補助として使えます。

タイマーは火を自動で止めるものではありません。使用中も鍋から目を離さず、その場を離れるときは加熱を止めてください。

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家庭の火災を早く知らせる備えに

能美防災 まもるくん
FSKJ227-B-N(煙式)

煙を感知して火災を知らせる住宅用火災警報器です。家庭の警報器の設置状況や交換時期を見直す際の候補になります。

設置場所に合う種類を選びましょう。台所に設置する場合は、地域の設置基準やメーカーの説明書を確認してください。煙式・熱式の選び方は、管轄の消防署にも相談できます。

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商品の仕様・付属品・価格・在庫は、販売ページで確認してください。使用・設置はメーカーの説明書に従ってください。

10 よくある疑問

こんろの火を消せば油の炎も消えますか

A.必ず消えるとは限りません。安全に操作できる場合は加熱を止めますが、油が燃え続ける場合や、一度消えて再び燃える場合があります。通報や避難を後回しにしないでください。(参考:油の再発火への注意)

炎が小さいなら少しだけ水をかけてもよいですか

A.水をかけないでください。少量なら安全という基準はありません。燃えている油へ水を入れると、高温の油が飛び散る危険があります。

消火器がないときはどうしますか

A.安全に対応できない場合は、代用品を試さず避難して119番通報します。火や煙へ近づいてタオルや食品を用意するより、人が離れることを優先してください。

消火器の薬剤が水系でも使えますか

A.消火用に設計された薬剤と、家庭の水を鍋へかける行動は同じではありません。天ぷら油火災へ使えるかは、製品の適応表示と説明書で確認します。「水系なら何でも使える」とも「水系はすべて使えない」とも決めつけないでください。

消えた後も119番してよいですか

A.発火した場合は、現在炎が見えなくても消防へ知らせてください。「油から火が出たが、今は炎が見えない」と伝え、取り扱いの指示を受けます。再び燃えないかを、自分だけで判断しないでください。

油から煙が出た段階ではどうしますか

A.安全に操作できる場合は、加熱を止めてください。顔を近づけず、水や食材で冷やそうとしないでください。煙だけでは、この記事から火災かどうかを判断できません。煙が増える、息苦しいなどの場合は離れ、火災が疑われる場合や判断できない場合は119番通報を検討してください。油から炎が出た場合は、火災として119番通報してください。(参考:火災時の通報)

ふたで消えたので少し開けて確認してよいですか

A.すぐ開けないでください。空気が入ることで再び燃える場合があります。覆った状態のまま消防へ通報し、扱い方を確認してください。

11 家族で確認する油火災への備え

家族で覚えておきたいのは、水をかけない、鍋を動かさない、消火に固執しないことです。火事を知らせ、危険なら避難し、119番通報する。炎が消えても、片づけず消防へ状況を伝える。この行動を共有してください。

今日のうちに確認できるのは、こんろの揚げ物の注意事項、消火器具の置き場所と表示、台所からの逃げ道です。調理を始める前に、周囲の物と器具の使い方を見直しておきましょう。

参考資料

消防庁消防大学校 消防研究センター「天ぷら油火災(マヨネーズでの消火)」

消防庁消防大学校 消防研究センター「天ぷら油火災(消火器具)」

東京消防庁「第9章 通報」

東京消防庁「第10章 消火」

横浜市消防局「エアゾール式簡易消火具の使用方法」

東京消防庁「第2章 火災を防ぐ」

小山市消防本部「なくそう!!天ぷら油火災」

さいたま市消防局「天ぷら油火災の消火方法にご注意ください!」

東京消防庁「第5章 火災の予防」

NITE「IH調理器 4 少ない油で発火」

東京消防庁「調理中は、こんろから離れないようにしましょう。」

NITE「脱・取説キャンセル界隈 調理家電の事故を防ぐポイント」

大阪市西成区「火事が起きたら」