毎年この時期になると、ニュースで「インフルエンザの流行が始まりました」という言葉を耳にします。
それでも多くの人が、「あぁ、またか」「どうせ軽い風邪みたいなものでしょ」と思ってしまいがちです。
けれど、今年はその油断が大きな問題を引き起こしています。
体調不良を隠して勤務したり、症状を軽視して受診を遅らせたりすることで、周囲への感染が一気に広がるケースが相次いでいるのです。
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■ インフルエンザは“ただの風邪”ではない
まず押さえておきたいのは、インフルエンザはウイルスによる急性の呼吸器感染症であり、普通の風邪とはまったく違う病気だということです。
インフルエンザウイルス(A型・B型など)は非常に感染力が強く、潜伏期間は1〜3日。発症すると、高熱・関節痛・全身のだるさなど、まるで全身を襲うような症状が現れます。
風邪が「のどが痛くて少し熱がある」程度で済むのに対し、インフルエンザは突然38度以上の発熱を起こし、全身の筋肉痛や倦怠感を伴うのが特徴です。
さらに怖いのは、肺炎や脳症などの合併症を引き起こす可能性があること。特に高齢者や子ども、基礎疾患を持つ人では命に関わることもあります。
■ なぜ「ただの風邪」と誤解されやすいのか
インフルエンザが軽視されがちな理由のひとつは、「誰もがかかったことがある病気」だからです。
経験がある分、“慣れ”が生まれ、「去年も大したことなかったし」「熱が出てもすぐ下がるから」と思ってしまう。
また、最近はワクチン接種率の上昇や、解熱剤の使用によって一見軽く済むように見えるケースも多く、これが油断を生んでいます。
さらに、コロナ禍を経て「マスクを外しても大丈夫」といった空気が広がり、感染症への意識が一段階下がっていることも背景にあります。
しかし、インフルエンザは今でも毎年数千人が亡くなる病気です。
「感染しても大丈夫」ではなく、「感染を広げない」が本来の姿勢であるべきです。
■ 感染を広げないためにできること
「熱が出たけど、仕事が休めない」「病院に行くほどでもない」
そんな気持ちは、多くの人に共通しているかもしれません。
でも、インフルエンザは発症の1日前から他人にうつす可能性があります。つまり、自覚症状が出る前から周囲に感染させていることがあるのです。
だからこそ、体調が少しでもおかしいと感じたら、
- 無理をせずに休む
- 早めに医療機関を受診する
- 周囲に体調不良を正直に伝える
この3つがとても大切です。
「休む=迷惑をかける」と思いがちですが、実際には“感染を広げないための思いやり”です。
誰かが我慢して出勤することで、職場や学校全体に感染が広がり、結果的にもっと多くの人に負担がかかります。
■ 予防の基本を、今こそ見直す
感染を防ぐ基本は、実は昔から変わっていません。
- 手洗い・うがいの徹底
- マスクの着用(特に混雑した場所では)
- 十分な睡眠とバランスの良い食事
- 定期的な換気
そして何より、ワクチン接種です。
インフルエンザワクチンは感染を完全に防ぐものではありませんが、重症化を防ぐ効果が高いことがわかっています。
「打っても意味がない」と思っている人もいますが、もし感染した場合、ワクチンを打っていた人の方が明らかに軽症で済むケースが多いのです。
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■ 体調を隠さない社会へ
今回のように、体調不良を隠してしまう背景には、「迷惑をかけたくない」「周囲の目が気になる」といった心理があります。
でも、感染症対策の本質は“隠さないこと”。
隠すことで、結果的にもっと多くの人を巻き込んでしまう可能性があるのです。
もし「休みます」と言える職場・学校・社会であれば、インフルエンザもここまで広がらないはず。
感染症対策は、個人の努力だけでなく、周囲が受け入れる文化づくりも重要です。
■ おわりに
インフルエンザは、毎年やってくる身近な感染症です。
しかし“身近だからこそ”油断しやすく、“軽いと思い込むこと”が最大のリスクになります。
今年は例年よりも流行が早く、型の変化も指摘されています。
自分や家族、同僚を守るために――
手洗い、マスク、ワクチン、そして「体調不良を正直に伝える勇気」を、もう一度見直してみませんか。
小さな行動が、あなたの周りの大切な人を守ります。
それが、インフルエンザの季節を無事に乗り越えるいちばんの方法です。
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