🫁【後編】喘息とは?原因・メカニズム・治療・救急車を呼ぶ基準をわかりやすく解説(一般向け+専門的に詳しい)

喘息(ぜんそく)は日本でも非常に多い病気で、子どもにも大人にも起きます。
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音や、急に息がしづらくなる症状が特徴ですが、
実はその背景には 気道の“慢性的な炎症” が存在しており、その仕組みを理解すると発作予防にも役立ちます。

ここからは、一般の方にも“すべてを理解できるよう”に、さらに丁寧に解説していきます。

もっと医療情報を知りたい方はこちら👉喘息とは?原因・メカニズム・治療・救急車を呼ぶ基準をわかりやすく解説(専門家・国家試験・一般向け) 『前編』 — TETSU十郎/救急救命士

アレルギー大学テキスト 食物アレルギー診療ガイドライン2021準拠 食物アレルギーの基礎と対応

食物アレルギーを医学・栄養学・食育の観点から体系的に学べるテキストです。
IgE・好酸球・アレルギーマーチなど、喘息と深く関係する免疫の仕組みも丁寧に解説されています。
子どもを持つ家庭、救急現場でアレルギーを扱う医療者の双方にとって、信頼性の高い参考書になります。

ぜんそく・気管支炎・COPD 呼吸器とアレルギーの名医が教える最高の治し方大全

呼吸器専門医が、喘息・気管支炎・COPDの仕組みや治療をとても分かりやすく解説した一冊です。
特に「発作を減らすための生活改善」「吸入薬の正しい使い方」が丁寧で、一般の方にも医療者にも役立つ内容となっています。
図解も充実しており、喘息管理の基礎をしっかり学びたい方に最適です。


15. 喘息と「呼吸生理」

喘息は“吐けない”病気

「喘息は息が吸えないのでは?」と思われがちですが、正しくは
「息が吐きにくくなる病気」 です。

空気は吸うより、吐くほうが実は難しく、気道が細くなっていると出口が狭まり、空気が抜けなくなります。

呼気が出にくくなる理由

  • 吸気:胸を広げやすく、空気が入りやすい
  • 呼気:狭くなった“細い管”を通るため空気が抜けにくい

吸った空気がなかなか外に出ないため、肺の中に空気が溜まっていきます。
この状態を air trapping(エア・トラッピング) と言います。

◆ Air trapping が起きると…

  • 肺がパンパンに膨らむ
  • 横隔膜が下に押し下げられる
  • 呼吸筋が疲れやすくなる
  • 息をするたびに体力を奪われていく
  • 苦しさでパニックになり、さらに悪化

特に子どもは筋肉が弱く、急に悪くなるため注意が必要です。


16. 喘息はなぜ“アレルギー”で悪くなる?

喘息の多くは アレルギー体質(アトピー素因) が関係しています。

アレルギーを引き起こす免疫反応を Th2型反応 と呼び、ここでは以下のものが働きます。

関わる細胞・物質

  • IgE抗体:アレルギー反応の中心
  • 好酸球:炎症を進める細胞
  • 肥満細胞(マスト細胞):ヒスタミンなどを放出
  • ロイコトリエン:気道をキュッと縮める原因
  • サイトカイン(IL-4/5/13):炎症をどんどん広げる

花粉・ダニ・ペットの毛・カビなどに触れると、これらの細胞が一斉に働き、
気道が腫れ、筋肉が縮み、痰が増える ことで発作が起きます。

この慢性的な炎症を根本から抑えるのが
👉 ICS(吸入ステロイド)


17. 喘息とCOPDの違いを優しく説明

「うちの親は喫煙者で咳が多いけど、喘息?COPD?」
この疑問はとても多いので、一般向けにより噛み砕いて説明します。

比較ポイント喘息COPD
主な原因アレルギー体質喫煙
発症年齢子ども〜若年・中年中高年
気道の状態むくんで狭い(炎症)壁が壊れる(構造破壊)
可逆性多い(薬で広がる)少ない
発作夜に多い朝に咳・痰が多い

両方の特徴を併せ持つ人もおり、その場合は ACO と呼びます。


18. 喘息とアナフィラキシーの違いをさらに詳しく

喘息発作とアナフィラキシーは似ていますが、「治療の優先度」が大きく違います。

【喘息】

  • 呼吸は辛いが、多くは血圧が保たれている
  • 声は出せる
  • wheeze(ゼーゼー音)がある

【アナフィラキシー】

  • ゼーゼー+声が変(咽頭浮腫)
  • 蕁麻疹・発疹・かゆみ
  • 血圧の急激な低下
  • 嘔吐や下痢を伴うことも
  • 進行が早く、放置すると生命に関わる

アナフィラキシーは迷わず
👉 アドレナリン筋注が最優先
(救急では絶対ルール)


19. 喘息の重症度評価(一般の人にも分かりやすく)

喘息は「少し苦しい」から「命の危険」まで幅があります。

軽症

  • 話せる
  • ゼーゼー音が聞こえる
  • 酸素濃度が保たれている

中等症

  • 会話が短くなる
  • 呼吸が速くなる
  • 胸がペコペコ凹む(小児)

重症

  • 単語しか話せない
  • 苦しさで落ち着かない(不穏)
  • 顔色が悪い
  • 酸素低下(90%未満)

最重症

  • silent chest(呼吸音がしない)
  • 意識が遠のく
  • 肩で大きく息をしている
  • 呼吸が止まりかける

silent chest は
👉 気道が完全に閉じかけている危険なサイン

アレルギー大学テキスト 食物アレルギー診療ガイドライン2021準拠 食物アレルギーの基礎と対応

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20. 喘息は“急に悪くなる病気”

喘息が怖い理由は、
「さっきまで元気だったのに、急に息ができなくなる」
という点にあります。

  • 小児は全身の筋力が弱いため悪化が速い
  • 深夜・早朝は自律神経の影響で発作が強くなる
  • 風邪(ウイルス)が重症化の大きなトリガー
  • 「もう少し様子を見よう」が非常に危険

もっと医療情報を知りたい方はこちら👉喘息とは?原因・メカニズム・治療・救急車を呼ぶ基準をわかりやすく解説(専門家・国家試験・一般向け) 『前編』 — TETSU十郎/救急救命士


21. 小児喘息をもっと詳しく

小児は気道が細い

大人より気道が細いため、少し腫れるだけで空気の通りが悪くなります。

乳児は診断が難しい

  • RSウイルス
  • 細気管支炎
  • クループ

これらでもゼーゼー音が出るため、喘息と区別が難しい。

小児の危険サイン

  • 陥没呼吸
  • 泣く元気がない
  • 顔色不良
  • 会話や反応が少ない

これらは全て 即119番レベル


22. 高齢者喘息の見落とし

高齢者は
「咳が長い=風邪」「痰が多い=COPD」
と誤認されやすい。

  • β刺激薬で動悸が出やすい
  • COPD合併例(ACO)が増えている
  • デバイス操作が難しい
  • 誤嚥との鑑別が重要

23. 妊娠と喘息

喘息の妊婦さんは多いですが、
適切に治療すればほとんど問題なく経過します。

  • ICSは胎児への影響が少なく安全
  • SABAも必要な時は使用する
  • 発作で酸素が下がるほうが危険

「薬は心配だから使わない」は逆効果。


24. 日常生活で気をつけたいこと

より一般向けに具体的に書くよ。

ダニ対策

  • 布団乾燥機→掃除機
  • カーペットよりフローリング
  • フィルター類の掃除
  • 湿気をためない

冷気(冬の発作は要注意)

  • 朝の冷気は発作の引き金
  • 外出時はマスク+マフラーで気道保護

運動

運動誘発性喘息(EIA)は
ウォームアップ10〜15分で発作が出にくい。


25. よくある質問(さらに丁寧に)

Q1. 喘息は治りますか?

「治る」というより、
上手に付き合って発作を起こさない状態を作る病気
適切に治療すれば普通の生活ができる。

Q2. 吸入ステロイドは副作用が心配…

  • 口のカビ→うがいで予防
  • 全身副作用→微量なのでほぼ心配なし

Q3. マスクは効果がありますか?

あります。
特に

  • 冷気
  • 乾燥
  • PM2.5
  • 花粉
    から気道を守れる。

26. 救急隊の処置をさらに詳しく

喘息発作は「恐怖→過換気→悪化」という悪循環に陥るため、
救急隊は “安心感を与える声かけ” が非常に重要。

処置

  • Tripod位保持(前かがみ)
  • 酸素投与
  • wheeze の有無確認
  • 直前のトリガー確認
  • ICS/LABA の使用状況
  • バイタルを継続評価

「大丈夫ですよ、一緒にゆっくり呼吸しましょう」
という声かけだけでも改善することが多い。

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27. 医療機関での治療(一般の人にも平易に)

吸入(SABA)

最初に必ず行う。
重い時は数回連続(back-to-back)。

ステロイド(内服・点滴)

炎症を短期間で抑える。

マグネシウム(MgSO₄)

重症で気道が固くなっている時に使用。

アドレナリン

アナフィラキシーを伴うとき必須。


28. 喘息治療は進化している

最近では

  • 生物学的製剤(抗IgE、抗IL-5 など)
  • ICS/LABA/LAMA の三剤配合
  • スマホアプリでの管理
  • 自動吸入デバイス

など、治療が大きく進歩。


29. まとめ

喘息は
「発作の病気」ではなく「気道の炎症の病気」

そのため、

  • 普段の治療(ICS)が最も大切
  • トリガーを避ける
  • 少しでも不安なら早めに受診
  • 救急車を呼ぶ基準を知っておく

これらを意識すれば、重症化は確実に減らせます。

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