はじめに

日本は世界有数の地震大国であり、1日のうち最も危険度が高まるのは「夜間」である。
防災士として断言できるのは、夜間地震は昼間よりも死亡リスクが上がるという事実だ。

理由は明確である。

  • 視界が悪い
  • 身体反応が遅い
  • 家具の配置が把握できない
  • 家族がバラバラに寝ている
  • 停電時の混乱が重なる
  • 判断力が低下し「やってはいけない行動」をしてしまう

さらに、地震で命が左右されるのは “揺れてからの最初の10秒” だ。
10秒は短く感じるが、防災士の現場知識を踏まえると、この10秒こそが**生死を分ける黄金時間(ゴールデン10秒)**である。

この記事は、
✔ 夜間特有の危険
✔ 絶対やってはいけない行動
✔ 最初の10秒の行動手順
✔ 家庭で今日からできる備え
を、防災士の専門知識から徹底解説した 完全保存版 である。

もっと防災情報を知りたい方はこちら👉「豪雪から命と生活を守る総合防災ガイド|備え方・雪害の仕組み・地域防災まで徹底解説」 — TETSU十郎/救急救命士

参考URL(一次情報中心)

※記事内の内容は防災士教育・災害対応資料・公式機関の情報を基に構成しています。

● 気象庁|地震・津波情報
https://www.jma.go.jp/jma/index.html

● 内閣府 防災情報
https://www.bousai.go.jp/

● 消防庁|災害統計・教訓
https://www.fdma.go.jp/

● NHK 防災
https://www.nhk.or.jp/saigai/

● 内閣府|正常性バイアス等の災害心理資料
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/


第1章:なぜ“夜間の地震”は昼間より危険なのか

夜間地震の死亡率・重傷率が高いのは、人間の行動特性と環境に原因がある。


● ① 視界がゼロ(停電時はさらに危険)

揺れによる停電、棚の物が散乱、暗闇——
これらが重なることで 足元の危険物に気づけない

転倒 → 頭部外傷 → 意識障害は、夜間地震で最も頻発する。


● ② 「正常性バイアス」が強く働く

寝ている最中は

「まだ揺れていない」
「気のせいだ」
「布団から出たくない」
と感じやすい。

これは防災心理学でいう正常性バイアスの最大化状態であり、避難開始が遅れる。


● ③ 家具転倒の被害が直撃しやすい

寝室は家具が多い。

  • タンス
  • 本棚
  • 衣類収納
  • テレビ
  • 冷蔵庫(ワンルームの場合)

夜間の就寝中は無防備であり、
倒れた家具で 胸部圧迫・頭部損傷 が多数発生してきた。

阪神淡路大震災では、倒壊・家具転倒による窒息・圧死が多数を占めた。


● ④ 家族同士で助けに行くため被害が拡大

揺れが収まっていないのに

「子どもが心配で走り出す」
→ 転倒
→ 落下物で怪我
→ ガラス踏み抜き

特に小さな子どもを助けに行く親の事故は極めて多い。


● ⑤ 避難行動が遅れる

暗闇+混乱+裸足+正常性バイアスの相乗効果で
避難判断までの時間が平均2〜5倍に延びる という実験データがある。

夜間は「判断の遅れ=命のリスク」である。



第2章:防災士が断言する「夜間地震で絶対にやってはいけない行動」

夜間地震で怪我・死亡につながりやすい行動は“決まって”いる。
以下は防災士実務でも必ず教える危険行動だ。


揺れているのに立ち上がる

夜間は足元が見えない。
その状態で立つと

  • 転倒
  • ガラス踏み抜き
  • 家具の落下直撃
    で重傷化しやすい。

子どもの部屋へ走る

親として当然の行動だが、
揺れている間の移動は最も危険

走る
→ 落下物・ガラス
→ 足を怪我
→ 救助不能になる

まずは自分の安全確保が先。


裸足で動く

夜間の怪我で最多は「ガラス踏み抜き」である。

足裏には太い血管があり、深く切ると大出血。
避難不能になり、命に関わる。


揺れの途中で外へ飛び出す

外の方が危険。

  • 看板
  • 屋根瓦
  • ブロック塀
  • 窓ガラス

すべて落下物として凶器になる。


スマホを探す

揺れている間は探してはいけない。
まず命を守る姿勢(安全姿勢)が最優先。


火を止めようとする(古い常識)

現代のガス機器は自動遮断機能があるため、
揺れている間に火元に向かうのは極めて危険。


家族を呼びに歩き回る

移動=リスク増大
揺れのピークが過ぎてから声掛け・誘導すべき。


エレベーターで避難しようとする

即停止 → 閉じ込め → 二次災害
という最悪パターンになる。



第3章:地震発生 “最初の10秒” があなたの生死を決める

防災士として一番強調したい部分がここだ。
最初の10秒で何をするかで、その後の安全性が95%変わる

以下、ゴールデン10秒の正しい行動手順。


0〜2秒:揺れを認知する

「あ、地震だ」と思った瞬間には、
既に 落下物が動き始めている 時間帯である。


2〜4秒:その場で身を守る姿勢に移行

寝ている場合
→ 布団・枕で頭を覆う
→ 体を丸める(胎児姿勢)

起きている場合
→ テーブル下
→ クッションや布団で頭を守る


4〜7秒:頭部保護の維持

家具転倒や物の落下はこの時間帯に集中する。
この3秒で多くのケガが発生する。


7〜10秒:揺れのピークに備える

大きな横揺れが来る場合が多い。
動かないことで被害リスクは大幅に下がる。


結論:

✔ 揺れている間は移動しない
✔ 頭を守り続ける
✔ 10秒後に次の行動へ

この「10秒の静止と防御」が命を救う最重要行動である。

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第4章:揺れがおさまったら最初にやるべき行動(夜間版)

揺れが落ち着いたら以下を行う。


✔ ① 足元の安全確保

ライトで確認(スマホ可)
ガラス・陶器・家具の破片を確認。


✔ ② スリッパ・靴を履く

夜間は“履き物が命を守る”。
地域によっては防災士は 寝室にヘルメット+靴を置く ことを推奨している。


✔ ③ 家族へ声かけ

“移動”ではなく “声で安否確認” が先。


✔ ④ 火災リスクの確認

  • コンロ
  • 電気ストーブ
  • 倒れた暖房器具
    夜間火災は地震より怖い。

✔ ⑤ 避難行動の判断

  • 津波警報の有無
  • 家屋の損傷
  • 近隣の状況

正常性バイアスを排除し、迷ったら避難。



第5章:家庭でできる“夜間地震の事前準備”


● ① 寝室の家具配置を再設計

防災士として最優先で改善すべき場所が寝室。
寝る場所=無防備な場所だからだ。

✔ ベッド脇に家具を置かない
✔ 家具の固定
✔ ガラスの飛散防止フィルム
✔ ヘルメット・靴を枕元に置く


● ② 懐中電灯は“必ず枕元”

停電時に家のどこかにあるライトを探すのは不可能。
寝室2つ以上に小型ライトを設置するのが理想。


● ③ スマホを充電して寝る

連絡手段確保のための最低条件。
バッテリー切れ=情報遮断=危険


● ④ 玄関に防災リュック

避難行動の出遅れを防ぐため、
防災リュックは玄関か寝室の近くに置くべき。


● ⑤ 家族役割分担の設定

  • 誘導係
  • 火災チェック係
  • 持ち出し品確認係
    夜間は混乱するため、役割共有が命綱になる。


第6章:夜間の“やってはいけない行動”を習慣化で防ぐ方法


● ① 夜、家に帰ったら家具配置を見直す

一度整えても、生活でずれたら意味がない。


● ② 枕元に置くものセットを固定化

  • 懐中電灯
  • スマホ
  • メガネ
  • ヘルメット

“毎晩同じ位置に置く”という習慣が命を守る。


● ③ 子どもへの訓練

走らず、
「頭を守る姿勢」→「声で合図」
の訓練をしておく。



第7章:まとめ(防災士の結論)

夜間地震は昼間より危険。
だからこそ、
やってはいけない行動
最初の10秒の行動 が命を分ける。


🔥【夜間の禁止行動】

❌ 揺れている間に立つ
❌ 子どもの部屋へ走る
❌ 裸足で動く
❌ 外へ飛び出す
❌ スマホを探す
❌ 火を消しに行く
❌ 家族を探して歩き回る
❌ エレベーターに乗る


🔥【最初の10秒でやる行動】

✔ その場で頭を守る
✔ 移動しない
✔ 体を丸める
✔ 落下物から身を守る
✔ 揺れのピークに備える


🔥 防災士としての結論

「夜間地震は知識より“習慣”が命を救う」

日常の準備こそ、最大の防災である。

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参考URL(一次情報中心)

※記事内の内容は防災士教育・災害対応資料・公式機関の情報を基に構成しています。

● 気象庁|地震・津波情報
https://www.jma.go.jp/jma/index.html

● 内閣府 防災情報
https://www.bousai.go.jp/

● 消防庁|災害統計・教訓
https://www.fdma.go.jp/

● NHK 防災
https://www.nhk.or.jp/saigai/

● 内閣府|正常性バイアス等の災害心理資料
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/

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