【救急救命士国家試験対策】※穴埋め問題付き

こんにちは。今回は、救急現場で頻繁に遭遇する「急性腰痛症」について、国家試験対策の観点から重要なポイントをまとめていきます。

急性腰痛症(いわゆるぎっくり腰)は、原因が一つに特定できない「非特異的腰痛」であることが多いですが、その発症機序にはさまざまな構造的・機能的要因が関与しています。

本記事では、国家試験で問われやすいポイントを押さえつつ、臨床的な理解も深めていきます。

急性腰痛症とは?

  • 突然発症する腰部の強い痛み
  • 多くは「非特異的腰痛」に分類される(明確な損傷部位の特定が困難)
  • 一般的に数日〜数週間で自然軽快

発症機序のポイント(重要!)

1. 筋肉・靭帯の過度な伸展や収縮

  • 不適切な動作(重い物を持ち上げる、急な動き)により筋・靭帯の微細損傷
  • 結果として炎症が生じ、痛みが発現
  • 国家試験では、「筋肉の急激な収縮・過伸展」と関連づけて出題されることがある

2. 椎間板の圧迫・変性

  • 椎間板内の髄核が飛び出し、線維輪を破綻→神経根を圧迫
  • 椎間板ヘルニアの初期発症としての腰痛
  • 坐骨神経痛や下肢のしびれを伴う場合もある

3. 椎間関節の可動性障害(関節性腰痛)

  • 椎間関節の不適切な動きや炎症が原因
  • 関節周囲の筋や靭帯にも負担がかかり、痛みが出現
  • 国家試験では、「椎間関節の機能不全」というキーワードで出る可能性あり

4. 筋力バランスの崩れ

  • 腹筋や背筋のバランスが悪いと、体幹の支持性が低下
  • 結果的に腰部に過度な負荷がかかり、急性腰痛を誘発
  • 日常の筋力低下→負荷集中→腰痛の流れを覚える!

5. 姿勢・動作の誤り

  • 長時間の座位や誤った物の持ち上げ動作など
  • 腰椎への負荷増大→筋や靭帯の損傷
  • 生活習慣が発症に関与する」という視点で出題されることも

6. 心理的・ストレス的要因(重要キーワード!)

  • ストレス→筋緊張→慢性負荷の流れ
  • 国家試験では、「心因性の要因が腰痛を引き起こすことがある」として問われる可能性あり

7. 加齢による変化

  • 加齢によって椎間板の弾力性が低下
  • 関節や骨の変性も進行し、急な負荷に弱くなる
  • 加齢変化が背景にある急性腰痛」というケースも抑えておこう

国家試験で押さえるべきキーワードまとめ

キーワードポイント
非特異的腰痛明確な損傷部位が特定できない
筋・靭帯の損傷急な動作による微細な損傷
椎間板ヘルニア髄核の脱出→神経根圧迫
関節性腰痛椎間関節の機能障害
筋力バランス体幹筋の弱化→腰への過負荷
ストレスによる筋緊張心因性要因も腰痛の原因になる可能性がある
加齢変化椎間板・関節の変性により発症リスク増大

おわりに(+ひと言アドバイス)

急性腰痛症は、救急現場でも頻繁に出会う症例のひとつです。国家試験でも頻出テーマなので、構造的要因と機能的要因、心理的要因の関係性をしっかり押さえておきましょう。

\Point!/
症状だけでなく、発症メカニズムを構造単位で理解することが合格への近道!

急性腰痛症に関する穴埋め問題(5問)

【問1】

急性腰痛症は、明確な損傷部位が特定できないことが多く、一般的には( ① )腰痛に分類される。

選択肢:
A. 特異的 
B. 非特異的
C. 慢性
D. 筋性

正解: B. 非特異的


【問2】

腰部の筋肉や靭帯が過度に伸展・収縮することで微細な( ② )が発生し、炎症によって痛みが生じる。

選択肢:
A. 骨折
B. 変形
C. 損傷
D. 剥離

正解: C. 損傷


【問3】

椎間板に過度な圧力がかかると、( ③ )内の髄核が外に飛び出し、神経根を圧迫することで腰痛を引き起こすことがある。

選択肢:
A. 線維輪
B. 椎弓
C. 椎骨
D. 椎間板

正解: D. 椎間板


【問4】

心理的なストレスは筋緊張を引き起こし、腰部の( ④ )を高めることで腰痛を誘発することがある。

選択肢:
A. 神経伝導速度
B. 筋負荷
C. 関節可動域
D. 血流量

正解: B. 筋負荷


【問5】

体幹筋のバランスが崩れると、腰部に( ⑤ )が集中し、急性腰痛の原因となることがある。

選択肢:
A. 神経支配
B. 伸展力
C. 負荷
D. 温度変化

正解: C. 負荷

By TETSU十郎

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