【国家試験対策】
【1】サチュレーションモニターとは
サチュレーションモニター(パルスオキシメーター)は、動脈血酸素飽和度(SpO2)を非侵襲的に測定する医療機器である。指先や耳たぶに装着し、動脈血中の酸素飽和度と脈拍数をリアルタイムで測定する。光を利用した測定方法で、赤色光(660nm)と赤外光(940nm)を用いて血液中の酸素ヘモグロビンと脱酸素ヘモグロビンの比率を解析する。
【2】測定の意義
サチュレーションモニターは、呼吸や循環の評価において重要な役割を果たす。特に以下のような状況では、SpO2の監視が不可欠である。
- 呼吸器疾患(COPD、喘息、肺炎など) → 低酸素血症の早期発見
- 心疾患(心不全、心筋梗塞など) → 循環不全の評価
- 救急現場(外傷、ショックなど) → 緊急対応の判断
- 高山病予防・登山医学 → 高地環境での低酸素状態の監視
【3】正常値と異常値の目安(国家試験対策)
- 正常範囲:95~100%
- 軽度低下:90~94%(要経過観察)
- 中等度低下:80~89%(酸素投与を検討)
- 重度低下:79%以下(緊急対応が必要)
➡ 試験では「SpO2 90%未満は低酸素血症」と判断することが多い
【4】測定時の注意点(試験対策)
- 末梢循環の影響
- ショックや低体温時は末梢循環が低下し、測定値が低く出ることがある。
- 動きによる誤差
- 測定中に手を動かすと測定エラーが生じる。
- 外的要因の影響
- マニキュアや強い光(手術灯、直射日光)が測定値に影響を与える可能性がある。
- 一酸化炭素中毒の影響
- COヘモグロビンが存在すると、酸素ヘモグロビンとして誤認され、SpO2が過大評価される。
➡ 試験では「測定値が低く出る/過大評価される要因」を問われることがあるため注意!
【5】国家試験対策問題
問題1
サチュレーションモニターの測定値に影響を与える要因として適切でないものはどれか。
A. 低体温
B. ショック
C. 深呼吸
D. マニキュア
解答:C(深呼吸はSpO2を改善する可能性があるため、測定値を下げる要因ではない)
問題2
SpO2の測定値が85%だった。次に行う対応として適切でないものはどれか。
A. 酸素投与を検討する
B. 患者の意識状態を確認する
C. 指先の状態を確認する
D. サチュレーションモニターを外して放置する
解答:D(低酸素血症の可能性があるため、モニターを外して放置するのは不適切)
問題3
サチュレーションモニターの測定が正しく行われているかを確認する際、考慮すべき事項として誤っているものはどれか。
A. 直射日光が当たっていないか確認する
B. 患者の動きが影響を与えていないか確認する
C. CO中毒の可能性を考慮する
D. 動脈血ガス分析と比較する必要はない
解答:D(動脈血ガス分析は酸素飽和度のゴールドスタンダードであり、SpO2の正確性を評価する際に比較される)
【6】まとめ(試験で狙われるポイント)
- SpO2 90%未満は低酸素血症と考える
- ショック時や末梢循環不良では測定値が低くなることがある
- マニキュアや動き、強い光は測定誤差の要因となる
- 一酸化炭素中毒ではSpO2が過大評価されるため注意が必要
- 試験では「測定誤差の原因」や「低酸素血症の対応」が問われることが多い!