突然鼻血が出て、
「なかなか止まらないけど、救急車を呼んだほうがいい?」
「何分くらい圧迫すればいい?」
「大量に出ているけど、このまま様子を見て大丈夫?」
と迷うことがあります。
鼻血(鼻出血)の多くは、正しい方法で小鼻を圧迫することで止血できます。
しかし、
- 大量の出血が続いている
- 血液が大量に喉へ流れ込んでいる
- 息苦しい・呼吸がおかしい
- 顔色が著しく悪い・冷や汗が出る
- 強いふらつき・失神がある
- 意識がもうろうとしている
- 大きな事故や強い頭部外傷のあとに出血した
などの場合は、緊急性の高い状態が隠れている可能性があります。
このような場合は、119番通報を優先してください。
一方、全身状態が安定していても、正しい方法で圧迫を続けても鼻血が止まらない場合には、耳鼻咽喉科や救急外来などで止血処置が必要になることがあります。
この記事では、鼻血で救急車を呼ぶべき症状、正しい鼻血の止め方、止まらない場合の受診目安、高齢者や子どもで注意したいポイントを分かりやすく解説します。
1.【結論】鼻血で119番を呼ぶべき危険なサイン
鼻血で重要なのは、
「何分出血しているか」だけでなく、「出血の勢い」と「意識・呼吸・全身状態」を確認することです。
「20分止まらなければ全員119番」というわけではありません。
一方、出血時間が短くても、明らかな大量出血や意識・呼吸の異常があれば119番が必要です。
| 鼻血+症状・状態 | 考えられる危険性 | 対応 |
| 明らかに大量の出血が続いている | 大量出血など | 119番を検討 |
| 血液が大量に喉へ流れ、呼吸が苦しい | 気道への血液流入など | 119番 |
| 顔面蒼白・冷や汗・強いふらつきがある | 循環状態の悪化など | 119番を検討 |
| 失神した・意識がおかしい | 循環不全、頭部疾患など | 119番 |
| 普段どおりの呼吸をしていない | 心肺停止など | 119番+心肺蘇生 |
| 大きな事故・強い頭部外傷後の鼻出血+意識障害など | 重い頭部・顔面外傷など | 119番 |
| 適切に圧迫しても止まらない | 持続する鼻出血 | 医療機関へ相談・受診 |
「20分止まらない=必ず救急車」ではない
鼻血がなかなか止まらないと不安になりますが、
出血が続いている時間だけで救急車の必要性を決めることはできません。
適切な圧迫を続けても止血できない場合は、医療機関で処置が必要になることがあります。
ただし、
- 出血量が非常に多い
- 急速に状態が悪化している
- 意識がおかしい
- 呼吸がおかしい
- 失神した
- 強いふらつきがある
などの場合は、圧迫時間が10分や20分になるまで待つ必要はありません。
危険な症状があれば119番通報を優先してください。
2.まずやること|座って前かがみ+小鼻を圧迫する
鼻血が出たときに最も重要なのが、正しい位置を圧迫することです。
① 座って少し前かがみになる
可能であれば椅子などに座り、顔をやや下に向けて前かがみになります。
血液が喉へ流れにくい姿勢をとることが重要です。
口の中へ流れてきた血液は、無理に飲み込まず静かに吐き出します。
② 小鼻の柔らかい部分をつまむ
圧迫する場所は、鼻の付け根や硬い骨の部分ではありません。
左右の小鼻の柔らかい部分を、指でしっかりつまみます。
親指と人差し指などで鼻翼を両側から押さえ、鼻中隔へ向かって圧迫します。
口で呼吸しながら続けてください。
③ 10〜15分程度、途中で離さず圧迫する
ここが非常に重要です。
「もう止まったかな?」と何度も指を離さないでください。
途中で確認するために圧迫を解除すると、形成され始めた血栓が安定せず、再び出血することがあります。
時計やスマートフォンで時間を確認しながら、10〜15分程度を目安に連続して圧迫します。
3.鼻血でやってはいけない「上を向く」
鼻血が出ると、
「上を向いて!」
と言われた経験がある人もいるでしょう。
しかし、鼻血が出ているときに上を向くことは勧められません。
上を向くと、鼻から出た血液が喉へ流れ込みやすくなります。
血液を飲み込むことで、
- 吐き気
- 嘔吐
- むせ込み
などにつながることがあります。
そのため、
鼻血では「上を向く」のではなく、「座って少し前かがみ」が基本です。
また、首の後ろを叩いても、出血している鼻の血管を圧迫することにはならないため、直接的な止血方法にはなりません。
4.ティッシュを鼻の奥まで詰めるより「直接圧迫」
鼻血が出ると、反射的にティッシュを鼻の中へ詰める人も多いでしょう。
しかし、家庭で最初に行う止血方法として重要なのは、
鼻の奥へ物を詰め込むことではなく、小鼻を外側からしっかり圧迫することです。
ティッシュなどを強く詰めたり、何度も出し入れしたりすると、鼻の粘膜を刺激して再び出血することがあります。
特に、止血後に乾いたティッシュを勢いよく抜くと、再出血する可能性があります。
まずは、
前かがみ+小鼻の直接圧迫
を優先してください。
5.10〜15分圧迫しても止まらなかったら?
一度適切に圧迫しても出血が続く場合は、圧迫している位置が正しいか確認します。
重要なのは、
- 鼻の硬い骨を押さえていないか
- 小鼻の柔らかい部分を圧迫できているか
- 途中で何度も指を離していないか
です。
正しい方法で圧迫を続けても出血が止まらない場合には、耳鼻咽喉科や救急外来など医療機関への相談・受診を検討してください。
特に、
- 出血が20分程度以上続いている
- 何度圧迫しても再出血する
- 喉へ血が流れ続ける
- 抗凝固薬・抗血小板薬を服用している
- 出血量が多い
- 高齢者で出血が止まりにくい
などの場合は、早めの医療機関への相談が重要です。
ただし、大量出血、意識障害、呼吸異常、失神、著しい顔面蒼白などがあれば時間を待たず119番通報してください。
6.鼻血はなぜ出る?最も多いのは鼻の前方からの出血
鼻の中には多くの血管が走っています。
特に鼻中隔の前方には血管が集まっている部分があり、キーゼルバッハ部位と呼ばれます。
鼻出血の多くは、このような鼻の前方から起こります。
鼻の粘膜は、
- 鼻を強くかむ
- 鼻をいじる
- 空気の乾燥
- アレルギー性鼻炎などによる刺激
によって傷つき、出血することがあります。
前方からの一般的な鼻出血では、小鼻を適切に圧迫することで出血部位を圧迫できるため、家庭で止血できる場合が多くあります。
一方、鼻の奥から出血する場合には、血液が喉へ流れ込みやすく、家庭での圧迫だけでは止まりにくいことがあります。
特に、
「小鼻をしっかり圧迫しているのに、喉へ血が流れ続ける」
という場合には、医療機関での評価が必要になることがあります。
7.止まりにくい鼻血|鼻の奥からの「後方出血」
鼻血の多くは鼻の前方から起こりますが、鼻の奥から出血する場合もあります。
これを一般に後方出血と呼びます。
鼻腔の後方には蝶口蓋動脈などの血管が分布しており、鼻の奥から出血すると、
- 血液が喉へ流れやすい
- 小鼻を圧迫しても止まりにくい
- 出血部位を自分で確認しにくい
- 出血量が多くなることがある
などの特徴があります。
特に、
「小鼻をしっかり圧迫しているのに、喉へ血が流れ続ける」
場合は注意が必要です。
家庭で止血できない場合には、耳鼻咽喉科などで出血部位を確認し、止血処置が必要になることがあります。
さらに、大量出血、呼吸困難、失神、意識障害、著しい顔面蒼白などがあれば119番通報してください。

8.高血圧があると鼻血が出やすい?
鼻血が出ると、
「血圧が高いから鼻血が出たのでは?」
と思う人もいるでしょう。
高血圧と鼻出血には関連が指摘されていますが、鼻血が出たという事実だけから、
「原因は高血圧だ」
と判断することはできません。
また、鼻血が出たことへの不安や緊張によって、一時的に血圧が上昇することもあります。
そのため、
鼻血が出た → 血圧が高かった → 高血圧が鼻血の原因
と単純には判断できません。
家庭に血圧計がある場合でも、血圧の数字を確認することに気を取られ、小鼻の圧迫止血や119番通報を遅らせないことが重要です。
血圧の数字だけで救急車を決めない
「血圧が高いから119番」
「血圧が正常だから大丈夫」
と、血圧だけで救急車の必要性を判断するのも適切ではありません。
鼻血の場合は、
- 出血量
- 出血が止まるか
- 意識状態
- 呼吸状態
- 顔色
- ふらつき・失神
- 頭部外傷の有無
などを合わせて判断します。
9.抗凝固薬・抗血小板薬を飲んでいる場合
心房細動、脳梗塞、心筋梗塞などの治療や再発予防のため、血液を固まりにくくする薬を服用している人がいます。
一般には「血液をサラサラにする薬」と呼ばれることがありますが、医学的には大きく、
抗凝固薬
抗血小板薬
などに分けられます。
抗凝固薬
代表的なものには、
- ワルファリン
- DOAC(直接経口抗凝固薬)
などがあります。
抗血小板薬
代表的なものには、
- アスピリン
- クロピドグレル
などがあります。
これらの薬を使用している場合、出血が止まりにくくなることがあります。
しかし、
「血液をサラサラにする薬を飲んでいる=必ず救急車」
ではありません。
正しく圧迫して止血でき、全身状態も安定している場合まで、一律に119番が必要とは限りません。
一方、
- 適切に圧迫しても止まらない
- 出血量が多い
- 何度も再出血する
- 喉へ大量に血が流れる
- 顔色が悪い
- 強いふらつきがある
場合には、早めに医療機関へ相談してください。
意識障害、失神、呼吸異常などがあれば119番通報します。
薬を自己判断で中止しない
鼻血が出たからといって、
抗凝固薬や抗血小板薬を自己判断で中止しないでください。
これらの薬は脳梗塞などを予防する目的で処方されていることがあります。
服薬をどうするかについては、医師など医療者の指示を受けてください。
受診する際には、お薬手帳や服用している薬の情報があると役立ちます。
10.何度も鼻血が出る場合|血液の病気が隠れていることも
鼻血を繰り返す原因には、
- 鼻をいじる
- 鼻炎
- 乾燥
- 鼻粘膜の炎症
など、比較的よくみられるものがあります。
一方、まれではありますが、血小板や血液凝固の異常などによって出血しやすくなることもあります。
特に、
- 鼻血を頻繁に繰り返す
- 歯ぐきからも出血する
- 原因不明のあざが増えた
- 小さな傷でも血が止まりにくい
- 月経の出血量が以前より著しく多い
など、鼻以外にも出血しやすい症状がある場合には医療機関へ相談してください。
鼻血だけで白血病などと判断しない
インターネットで、
「鼻血 止まらない」
と検索すると、白血病など重い病気が出てくることがあります。
しかし、鼻血だけで血液疾患を判断することはできません。
鼻血の多くは鼻の局所的な原因によって起こります。
一方、鼻血を繰り返し、ほかの出血症状や体調変化もある場合には、原因を調べるため医療機関で評価を受けることが大切です。
11.頭を打ったあとに鼻血が出た場合
転倒や事故のあとに鼻血が出ると、
「頭蓋骨が折れているのでは?」
と不安になるかもしれません。
しかし、頭部外傷後の鼻血すべてが頭蓋底骨折を意味するわけではありません。
転倒時に鼻や顔を直接ぶつければ、それだけでも鼻血は起こります。
重要なのは、どのような事故だったのか、鼻血以外にどのような症状があるのかです。
特に、
- 強い衝撃を受けた
- 意識を失った
- 呼びかけへの反応がおかしい
- 強い頭痛がある
- 嘔吐を繰り返す
- けいれんした
- 手足に麻痺がある
- 鼻や耳から血液や透明な液体が出ている
- 顔面に強い変形や腫れがある
などの場合には、重大な頭部・顔面外傷が隠れている可能性があります。
このような場合は119番通報を検討してください。
鼻から透明な液体が出たら触らない
強い頭部外傷のあとに鼻や耳から透明な液体が出る場合には、髄液漏などの可能性も考慮されます。
家庭で、
「本当に髄液なのか確認しよう」
と判断する必要はありません。
鼻の奥へティッシュなどを強く詰め込まず、重大な頭部外傷が疑われる状況では119番通報してください。
12.高齢者の鼻血で注意すること
高齢者では、
- 抗凝固薬・抗血小板薬を服用している
- 複数の持病がある
- 鼻の奥から出血している
- 出血によるふらつきから転倒する
などに注意が必要です。
特に、
「鼻血そのもの」だけでなく、全身状態を見ることが重要です。
高齢者で確認したい症状
- 小鼻を圧迫しても出血が続く
- 血が喉へ流れ続ける
- 立つと強くふらつく
- 冷や汗が出る
- 顔色が悪い
- 反応がいつもと違う
- 息苦しそう
- 出血後に転倒した
などがないか確認します。
「高齢だから鼻血が止まりにくい」と決めつけず、普段との違いを見てください。
13.子どもの鼻血|まず慌てず圧迫する
子どもの鼻血は珍しいものではありません。
鼻をいじる、鼻炎で鼻をこする、空気が乾燥しているなどの刺激によって、鼻の前方から出血することがあります。
基本的な止血方法は大人と同じです。
座る
↓
少し前かがみ
↓
小鼻の柔らかい部分をつまむ
↓
口で呼吸する
↓
10〜15分程度、途中で離さず圧迫する
子どもは血を見ると不安になり、泣いたり動いたりすることがあります。
保護者が落ち着いて、
「上を向かなくていいよ。ここをしばらく押さえよう」
と声をかけながら圧迫します。
子どもでも受診が必要な場合
- 適切に圧迫しても止まらない
- 鼻血を頻繁に繰り返す
- 鼻以外からも出血する
- あざが異常に多い
- 鼻に異物を入れた可能性がある
などの場合には、小児科や耳鼻咽喉科などへ相談してください。
また、大量出血、意識障害、呼吸異常、重大な外傷などがあれば、年齢にかかわらず119番通報を優先します。
14.鼻血が止まったあともすぐ鼻をいじらない
鼻血が止まった直後は、出血部位にできた血栓がまだ安定していないことがあります。
そのため、
- 強く鼻をかむ
- 鼻をほじる
- 鼻の中を何度も確認する
- 激しい運動をする
などによって再び出血することがあります。
止血後はしばらく安静にし、鼻を強く刺激しないようにしてください。
もし再び出血した場合には、もう一度、
前かがみ+小鼻の直接圧迫
を行います。
それでも何度も再出血する場合には、耳鼻咽喉科などへの受診を検討してください。
15.鼻血が止まらない|119番・#7119・医療機関の判断目安
鼻血が出たとき、
「救急車なのか、病院へ行けばいいのか」
が最も迷うポイントです。
基本的には、
鼻血の時間だけではなく、出血量・意識・呼吸・全身状態から判断します。
【119番を優先する状態】
次のような場合には、圧迫を続けながら119番通報を優先してください。
- 明らかに大量の出血が続いている
- 血液が大量に喉へ流れ、呼吸が苦しい
- 意識がもうろうとしている・反応がおかしい
- 失神した
- 普段どおりの呼吸をしていない
- 著しい顔面蒼白・冷や汗・強いふらつきがある
- 大きな事故や強い頭部・顔面外傷後で、意識障害などがある
- 急速に状態が悪化している
このような症状がある場合には、
「まず20分圧迫してから救急車を呼ぼう」
と待つ必要はありません。
危険な症状があれば、時間に関係なく119番通報してください。
【止まらないが全身状態は安定している】
意識や呼吸は正常で、顔色なども問題ないものの、
正しい方法で圧迫しても鼻血が止まらない
場合には、医療機関での止血処置が必要になることがあります。
特に、
- 20分程度以上、適切に圧迫しても止まらない
- 何度も再出血する
- 喉へ血が流れ続ける
- 抗凝固薬・抗血小板薬を服用している
- 鼻血を頻繁に繰り返す
場合には、耳鼻咽喉科や救急外来などへ相談・受診してください。
【救急車を呼ぶか判断できない】
「出血は続いているけれど救急車を呼ぶほどなのか分からない」
「夜間で耳鼻科も開いていない」
など、判断に迷う場合には、実施地域では**救急安心センター「#7119」**へ相談する方法があります。
症状を伝えることで、救急車を呼ぶ必要性や受診の緊急度について相談できます。
ただし、
大量出血・意識障害・呼吸異常・失神などがある場合には、#7119ではなく119番を優先してください。
※#7119は地域によって実施状況が異なります。
16.鼻血で救急車を待つ間にすること
119番通報したあとも、可能であれば止血を続けます。
① 意識があり、自分で座れる場合
基本的には、
座る
↓
少し前かがみ
↓
小鼻の柔らかい部分を圧迫
↓
口で呼吸する
↓
口へ流れてきた血液は飲み込まず吐き出す
という対応を続けます。
無理に歩き回らせる必要はありません。
② 意識と呼吸を継続して確認する
大量の出血がある場合には、救急車を待っている間にも状態が変化する可能性があります。
- 呼びかけに普通に答えられるか
- 普段どおり呼吸しているか
- 顔色が悪くなっていないか
- 冷や汗が出ていないか
- ふらつきが強くなっていないか
などを確認します。
③ 反応がなく、普段どおりの呼吸がない場合
呼びかけても反応がなく、普段どおりの呼吸をしていない、または正常な呼吸か判断できない場合には、
119番通報・AEDの手配・胸骨圧迫
を開始します。
周囲に人がいる場合は、一人で対応せず役割を分担してください。
17.鼻血でやってはいけないこと
上を向かせる
鼻血を止めるために上を向く必要はありません。
血液が喉へ流れ込みやすくなるため、基本的には前かがみにします。
首の後ろを叩く
首の後ろをトントン叩いても、鼻の出血部位を圧迫することにはなりません。
鼻血を止める基本は、小鼻の直接圧迫です。
何度も「止まったかな?」と確認する
数分おきに指を離すと、十分な圧迫時間を確保できません。
一度圧迫を始めたら、10〜15分程度は途中で離さず続けます。
鼻の奥へ物を強く詰め込む
家庭での最初の対応としては、鼻の奥へティッシュなどを強く押し込むより、小鼻を外側から直接圧迫することを優先します。
何度も物を出し入れすると鼻粘膜を刺激し、再出血につながる可能性があります。
抗凝固薬などを自己判断で中止する
「血が止まらないから薬をやめよう」
と自己判断しないでください。
抗凝固薬や抗血小板薬は、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する目的で処方されている場合があります。
薬をどうするかは医療者へ相談してください。
18.救急隊・医師に伝えたい情報
救急車を呼んだ場合や医療機関を受診する場合には、次の情報が役立ちます。
- いつから鼻血が出ているか
- どちらの鼻から出ているか
- おおよその出血量
- 何分くらい圧迫したか
- 圧迫しても喉へ血が流れていたか
- 何度も再出血しているか
- 転倒・事故・頭部外傷がなかったか
- 抗凝固薬・抗血小板薬を服用していないか
- 鼻血を繰り返していないか
- 持病
- 普段飲んでいる薬
すべて確認してから119番する必要はありません。
危険な状態では情報収集より119番通報を優先してください。
お薬手帳があれば、受診時や救急搬送時に持参すると服薬状況を確認しやすくなります。
19.よくある質問(FAQ)
Q.鼻血は何分止まらなかったら病院へ行くべきですか?
まずは、小鼻の柔らかい部分を10〜15分程度、途中で離さず圧迫してください。
正しい方法で圧迫しても出血が続き、20分程度以上止まらない場合などには、医療機関への相談・受診を検討してください。
ただし、
- 大量出血
- 呼吸異常
- 意識障害
- 失神
- 著しい顔面蒼白
- 強いふらつき
などがある場合には、20分待たず119番通報してください。
Q.鼻血が喉へ流れてきます。大丈夫ですか?
鼻血では、血液が喉へ流れることがあります。
まず前かがみになり、小鼻をしっかり圧迫してください。
口へ流れてきた血液は、無理に飲み込まず吐き出します。
特に、
小鼻を適切に圧迫しているのに大量の血液が喉へ流れ続ける
場合には、鼻の奥からの出血なども考えられるため医療機関への相談・受診が必要になることがあります。
呼吸が苦しい、大量出血、意識がおかしいなどがあれば119番通報してください。
Q.鼻血が出たら上を向いたほうがいいですか?
いいえ。
基本的には、座って少し前かがみにします。
上を向くと血液が喉へ流れ込みやすくなります。
そして、鼻の硬い部分ではなく、小鼻の柔らかい部分を圧迫してください。
Q.ティッシュを鼻に詰めてはいけませんか?
家庭での鼻血の応急手当として最も重要なのは、小鼻を外側から直接圧迫することです。
ティッシュなどを鼻の奥へ強く詰めたり、何度も出し入れしたりすると粘膜を刺激する可能性があります。
まず直接圧迫を優先してください。
Q.血液をサラサラにする薬を飲んでいます。鼻血が出たら救急車ですか?
服用しているという理由だけで、一律に救急車が必要というわけではありません。
ただし、抗凝固薬や抗血小板薬を服用している人では、出血が止まりにくくなる場合があります。
正しく圧迫しても止まらない、出血量が多い、何度も再出血する場合などには、早めに医療機関へ相談してください。
大量出血や意識・呼吸の異常などがあれば119番通報します。
処方薬を自己判断で中止しないことも重要です。
Q.血圧が高いから鼻血が出たのでしょうか?
鼻血が出たという事実だけで、高血圧が原因と判断することはできません。
また、鼻血への不安や緊張などによって血圧が高く測定されることもあります。
鼻血では血圧の数字だけで判断せず、出血量、止血できるか、意識・呼吸・全身状態を確認することが重要です。
Q.鼻血が止まったらすぐ普通に過ごして大丈夫ですか?
止血直後は再出血する可能性があります。
しばらくは鼻を強くかんだり、鼻をいじったりすることを避け、安静にしてください。
何度も再出血する場合には、耳鼻咽喉科などへの受診を検討します。
20.まとめ|鼻血は「前かがみ+小鼻を圧迫」が基本

鼻血の多くは、正しい圧迫止血によって止めることができます。
まず、
① 座って少し前かがみになる
② 小鼻の柔らかい部分をしっかりつまむ
③ 10〜15分程度、途中で離さず圧迫する
④ 喉へ流れた血液は飲み込まず吐き出す
ことが基本です。
そして、
適切に圧迫して止まった・全身状態も問題ない
→ しばらく安静にして再出血に注意
適切に圧迫しても20分程度以上止まらない・何度も再出血する
→ 医療機関へ相談・受診
救急車を呼ぶべきか判断できない
→ 実施地域では#7119などへ相談
大量出血・呼吸異常・失神・意識障害・著しい顔面蒼白などがある
→ 時間を待たず119番
と考えます。
「20分止まらない=全員救急車」ではありません。逆に、危険な症状があれば20分待つ必要もありません。
鼻血で大切なのは、血を見て慌てて上を向くことではなく、前かがみになって正しい場所を連続して圧迫し、意識・呼吸・全身状態を確認することです。
参考URL
· 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会|鼻出血(鼻血)~原因・止め方・こんな鼻血は要注意!~
鼻出血(鼻血)|日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
· 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会|子どもの鼻出血
鼻出血|日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
· 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会|鼻の症状
鼻の症状|日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
· 総務省消防庁|救急受診ガイド
救急受診ガイド|総務省消防庁

