「胸が締め付けられるように痛い」「冷や汗が止まらない」──それはもしかすると、心筋梗塞(しんきんこうそく)かもしれません。
心筋梗塞は命に関わる病気であり、発症からの時間が予後を大きく左右します。
この記事では、医療現場で用いられている知識をもとに、一般の方にも理解できるように解説します。
狭心症についての記事はこちら👉【狭心症入門】胸の痛みはなぜ起きるのか?原因・症状・治療・予防をやさしく解説
循環の仕組みについての記事はこちら👉【循環のすべて】心臓・血管・体循環と肺循環のしくみをやさしく解説
📚 おすすめの参考書籍
1️⃣ 『最新医学図解 詳しくわかる狭心症・心筋梗塞の治療と安心生活』
著者:上妻 謙 / 出版社:法研
狭心症や心筋梗塞の「発症から治療、再発予防まで」を図解でやさしく解説。専門用語をかみ砕いて説明しており、一般の方が基礎から学ぶのに最適です。
おすすめ用途:一般読者向けの入門書として。
2️⃣ 『心筋梗塞症(新 目でみる循環器病シリーズ 10)』
著者:吉野 秀朗 / 出版社:メジカルビュー社
心筋梗塞の病態・診断・治療・合併症までを、豊富な図版とともに体系的に整理。医療者・学生・救急隊員など、より深く理解したい人に適しています。
おすすめ用途:医療・救急従事者の学習用に。
3️⃣ 『狭心症・心筋梗塞 正しい治療がわかる本(EBMシリーズ)』
著者:野々木 宏 / 編集:福井 次矢 / 出版社:法研
最新のエビデンス(EBM)に基づく治療方針をわかりやすく紹介。現場から病院までの治療の流れが理解でき、救急救命士にも参考になります。
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1. 心筋梗塞とはどんな病気?

心筋梗塞とは、心臓の筋肉(心筋)に血液を送る冠動脈が詰まり、心筋が壊死してしまう病気です。
心臓は常に全身に血液を送り続けていますが、その心臓自身も酸素と栄養を必要としています。
それを供給するのが冠動脈です。
この冠動脈が突然詰まると、血液の流れが止まり、心筋が酸素不足になります。
数十分〜数時間のうちに心筋細胞が死んでしまい、やがて心臓全体の働きが低下します。
これが心筋梗塞の発症メカニズムです。
心筋梗塞は「突然死」の代表的な原因の一つでもあり、日本では年間約7〜8万人が発症しているとされています。
2. 原因:なぜ冠動脈が詰まるのか?
主な原因は**動脈硬化(どうみゃくこうか)**です。
長年の生活習慣や加齢によって、血管の内側に「プラーク」と呼ばれる脂肪のかたまりができます。
このプラークが破れると、そこに血小板が集まって血栓(血のかたまり)を作り、冠動脈をふさいでしまいます。
つまり、
動脈硬化 → プラーク破裂 → 血栓形成 → 冠動脈閉塞 → 心筋壊死
という流れが、心筋梗塞の典型的な病態です。
3. 心筋梗塞になりやすい人(危険因子)
心筋梗塞を起こしやすい人には、共通する生活習慣や体質があります。
以下のような項目が多いほど、リスクは高くなります。
- 高血圧(血圧が高い)
- 糖尿病
- 脂質異常症(コレステロール・中性脂肪が高い)
- 喫煙
- 肥満、運動不足
- 高塩分・高脂肪の食生活
- 過度のストレス
- 家族に心筋梗塞や狭心症の既往がある
- 男性(特に40歳以上)や閉経後の女性
これらは「冠危険因子」と呼ばれ、動脈硬化の進行を早めます。
つまり、生活習慣の改善こそが最大の予防策です。
4. 症状:どんなサインで気づくか?
心筋梗塞は、発症の瞬間から強烈な症状を伴うことが多い病気です。
しかし、中には「痛みが軽い」「まったく痛くない」場合もあるため、油断は禁物です。
典型的な症状
- 胸の中央が締め付けられるように痛い
- 圧迫感・焼けるような痛み
- 肩、腕、背中、顎に痛みが広がる(放散痛)
- 冷や汗・吐き気・呼吸困難を伴う
- 不安感・死の恐怖を感じる
このような症状が15分以上続く場合は、すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
「しばらく休めば治る」と自己判断してはいけません。
注意が必要なケース
特に高齢者や糖尿病の方では、痛みをあまり感じない「無痛性心筋梗塞」があります。
「何となく息苦しい」「だるい」「冷や汗が出る」といった軽い違和感でも、救急受診が必要な場合があります。
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5. 診断方法:どのように見つけるのか?
病院に搬送されると、まず以下のような検査が行われます。
- 心電図検査
心筋に異常があると、特有の波形変化(ST上昇など)が見られます。 - 血液検査
心筋が壊れると、トロポニンやCK-MBなどの酵素が血液中に漏れ出します。 - 心エコー検査
心臓の動きをリアルタイムで観察し、動きの悪い部分を確認します。 - 冠動脈造影検査(カテーテル検査)
血管内に造影剤を流して、どの部分が詰まっているかを直接調べます。
これらを総合的に判断し、「急性心筋梗塞」と診断されます。
6. 治療:一刻も早い血流再開が命を救う

心筋梗塞の治療は時間との勝負です。
心筋が壊死する前に血流を取り戻すことが、救命と後遺症軽減の鍵になります。
主な治療法は以下の通りです。
(1)経皮的冠動脈形成術(PCI)
カテーテルを使い、詰まった血管を広げる治療です。
バルーン(風船)で血管を押し広げ、金属製のステントを留置して再び詰まらないようにします。
現在ではこの方法が主流です。
(2)血栓溶解療法
血栓を溶かす薬を点滴で投与し、血管の再開通を狙います。
発症から時間が経っていない場合にのみ適応されます。
(3)冠動脈バイパス手術
重症例や多発狭窄の場合に、詰まった部分を避けて血液の通り道を作る外科手術が行われます。
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7. 急性期を過ぎたあとの治療と再発予防
救命後も、心臓への負担を減らし、再発を防ぐための治療が続きます。
薬物療法
- 抗血小板薬(血栓をできにくくする)
- スタチン(コレステロールを下げる)
- β遮断薬(心臓の負担を減らす)
- ACE阻害薬・ARB(血圧と心臓保護)
これらを継続的に服用することが再発予防に直結します。
リハビリテーション
医師や理学療法士の指導のもと、軽い運動から始めて心臓を慣らしていきます。
同時に、食生活・禁煙・体重管理・ストレス対策など、生活習慣の改善が行われます。
8. 予防法:日常生活でできること
心筋梗塞は、生活習慣を見直すことで大きく予防できます。
次のポイントを意識してみてください。
- 禁煙
タバコは血管を傷つけ、動脈硬化を加速させます。禁煙は最も効果的な予防策です。 - 食事改善
塩分を控えめにし、野菜・魚・大豆を中心とした食生活を心がけましょう。
脂質の摂りすぎを避け、コレステロール管理を徹底します。 - 定期的な運動
週3〜5回、30分程度のウォーキングでも効果があります。 - ストレスを溜めない
ストレスは交感神経を刺激して血圧を上げます。
深呼吸や趣味の時間を大切にしましょう。 - 定期検診を受ける
血圧・血糖・コレステロール値を定期的にチェックすることが早期発見につながります。
9. まとめ

心筋梗塞は、突然命を奪うこともある怖い病気です。
しかし、原因の多くは動脈硬化や生活習慣にあります。
つまり、日頃の過ごし方次第で予防できる可能性が高い病気ともいえます。
- 胸が締め付けられるような痛みが15分以上続く
- 冷や汗や息苦しさがある
- なんとなく“いつもと違う胸の違和感”を感じる
このようなときは、ためらわずに救急車を呼ぶことが重要です。
早期対応が、命を守る最大の手段です。
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