🔷 はじめに
「ただの風邪かと思っていたら…」が危険な理由**
マイコプラズマ肺炎は、“非典型肺炎”と呼ばれる種類の肺炎。
一見すると軽い風邪のように始まり、熱が上がっても寝込むほどではない。
しかし、**唯一といって良いほど目立つ症状が「続く咳」**だ。
本人は「長引くだけだから大丈夫」と思いがちだが、
救急や外来で診ると、咳のせいで夜眠れず、学校や仕事に行けず、
そのうち体力を奪われてしまうこともある。
さらに国家試験では、
「細胞壁がないためペニシリンが効かない」
という独特の特徴を問う問題が頻出。
つまり、一般の人にも医療者にも、
知っておく価値が非常に高い感染症なのだ。
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1. 『病気がみえる vol.4 呼吸器 第4版』(メディックメディア)
👉 呼吸器の解剖・生理から、肺炎・喘息・COPD・肺がんなど代表的な呼吸器疾患までを
豊富なカラー図解で解説した「定番テキスト」。
医療系学生・救急隊員・国家試験勉強・現場教育に幅広く使えます。- 構造・機能と病態が“図でつながる”構成
- 検査(胸部X線・CT・スパイロメトリーなど)も分かりやすい
- 症状・診断・治療の流れを整理したい人に最適
-
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👉 呼吸器の構造・働きをフルカラーでビジュアルにまとめた入門書。
気道・肺胞・ガス交換など、「何がどう動いているのか」が直感的に理解できます。- イラスト・図版が多く、一般読者にも分かりやすい
- 呼吸器生理をイメージでつかみたい初学者に向いている
- 講義スライドや救急教育の“図のネタ”にも使いやすい
呼吸器の基礎から代表的な疾患まで、国家試験・現場・講義づくりに役立つ2冊です。
🔷 1. マイコプラズマ肺炎とは?
──細菌でもウイルスでもない“特別な存在”**
「マイコプラズマ」は、医学の世界でも扱いが難しい微生物。
■ なぜ難しいのか?
その答えは “細胞壁が存在しない” ことにある。
人間の細胞も、細菌も、ほとんどが“細胞壁”あるいは“細胞膜”で形を保っている。
だが、マイコプラズマには壁がない。
つまり、外からの攻撃に弱いが、抗生剤も効きにくい。
ここが臨床と国家試験の最大のポイントだ。
【国家試験ポイント】
マイコプラズマの特徴**
- 細胞壁を持たない
- ウイルスより大きいが、細菌より小さい
- 細菌とウイルスの“中間的存在”
- 細胞壁を壊す抗生剤が効かない(βラクタム系無効)
🔷 2. 感染経路と流行
──「クラスターが一気に広がりやすい」理由**
感染経路の中心は 咳・飛沫。
特に流行が広がりやすい場所は、以下の通り。
- 学校
- 部活
- 寮
- オフィス
- 家族内感染
相棒テツヤの現場でも、秋〜冬の救急要請で
「咳が止まらない」という通報が増えることがあるだろう。
マイコプラズマ肺炎は、5〜7年周期で大流行を起こすことが知られている。
その理由は“集団免疫の低下”や“抗菌薬耐性”による。
🔷 3. 症状
「軽いのに治らない」これが最大の特徴**
マイコプラズマ肺炎は、一般的な典型的肺炎とは違う。
■ 主な症状
- 乾いた咳(空咳):特にしつこい
- 発熱(微熱または高熱)
- 倦怠感
- 頭痛
- 喉の痛み
- 胸痛(咳で悪化)
熱は引いても咳が止まらないケースが本当に多い。
特に “3週間以上続く咳” は典型的。
■ なぜ咳が長く続く?
気道に炎症が強く残るため。
マイコプラズマは気道上皮細胞にくっつき、ダメージを与える。
その結果、
ウイルス性の風邪よりも長く、
細菌性の肺炎ほど強くない“中途半端な炎症”が続く。
だからこそ“長びく咳”がキーワードとなる。
🔷 4. 胸部レントゲンの異常
──「症状と画像が一致しない」理由**
一般的な肺炎では、
高熱+レントゲン真っ白(肺が白く濁る)
という典型が多い。
しかし、マイコプラズマ肺炎は違う。
■ レントゲンの特徴
- 片側性のスリガラス影
- 症状に比べて軽く見える
- 肺胞より間質が中心の炎症
つまり、
“患者は辛そうなのに、レントゲンが軽い”
これは国家試験でも必ず問われる鉄板ポイント。
🔷 5. 血液検査や診断

──救急では「臨床判断」が基本
診断方法は複数ある。
■ 診断方法
- 抗体検査(ペア血清)
- PCR(精度が高い)
- 迅速検査
- レントゲン
だが、すべての検査をすぐに使えるとは限らない。
救急現場では、以下を重視する。
- 年齢
- 周囲の流行
- 咳の長さ
- 聴診所見(軽度)
- X線とのギャップ
これらの組み合わせで判断することが多い。
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🔷 6. 治療
──“効く薬・効かない薬”がはっきり分かれる**
これは国家試験受験生にとって絶対に覚えるべきこと。
❌ 効かない薬(βラクタム系)
- ペニシリン
- セフェム
→ 細胞壁に作用するため無効。
✔ 効く薬(細胞壁以外を攻撃する抗菌薬)
- マクロライド(第一選択)
クラリスロマイシン、アジスロマイシン - テトラサイクリン系(成人に有効)
- ニューキノロン系(成人に強い)
🔷 7. 合併症
──「軽い病気」と油断すると危険な理由**
マイコプラズマは重症化しづらい…
と言われがちだが、合併症は侮れない。
■ 代表的な合併症
- 肝炎
- 中耳炎
- 気管支喘息の増悪
- 無気肺
- 皮膚症状(紅斑)
- 心筋炎(稀)
そして試験で超重要なのが、
溶血性貧血(寒冷凝集素の上昇)
→ 国家試験では“寒冷凝集素↑”が出たらマイコプラズマを疑う問題が多い。
🔷 8. 救急現場での対応
──「軽症」が「重症」に化ける可能性がある**
救急隊が現場で出会うことも多い。
こんなケースでは搬送を考慮するべきだ。
- 呼吸が苦しそう
- SpO₂が低い(92%以下は危険)
- 3週間以上の咳+脱水
- 小児や高齢者
- 無気肺が疑われる状態
咳は侮れない症状だ。
本人より家族のほうが異変に気づいて通報することも多い。
🔷 9. 国家試験(対策まとめ)
“この8つ”を覚えれば満点取れる**
✔ 原因:Mycoplasma pneumoniae
✔ 細胞壁なし → βラクタム無効
✔ 第一選択はマクロライド
✔ 長期間続く乾性咳嗽
✔ レントゲンは軽い非典型肺炎像
✔ 流行:子ども・若者
✔ 合併症:寒冷凝集素↑
✔ 症状と画像のギャップが特徴
🔷 10. まとめ

「咳が止まらない」その一言が、命を守るヒントになる**
マイコプラズマ肺炎は、
その症状の“しつこさ”が特徴であり、
救急現場、一般診療、国家試験…
どの視点でも重要な疾患だ。
咳を軽く扱わず、
“長く続く咳の裏側”を知ることが、
患者を守る第一歩になる。
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