――実は“危険だった”ケースを救急隊目線で解説
はじめに

救急現場で、非常によく耳にする言葉がある。
「それ、救急車を呼ぶほどじゃないって言われたんです」
この言葉のあとに判明するのが、
脳梗塞・心筋梗塞・敗血症・くも膜下出血といった、
本来は一刻を争う傷病であることは決して珍しくない。
「大丈夫だと思った」
「様子を見ようと言われた」
その判断の背景には、誤解されやすい症状の特徴がある。
この記事では、
- なぜ軽く見られてしまうのか
- 実際に危険だった症状
- 救急隊が重視している視点
- 119番・#7119の正しい使い分け
を、救急隊の実務感覚+公的根拠に基づいて解説する。
📘 いざというときの救急・応急手当ガイド
夜間や休日など、すぐに医療機関へ相談できない場面で、
「救急車を呼ぶべきか」「様子を見てよいか」の判断を助けてくれる一冊。
一般の方にも分かりやすく、家庭に1冊あると安心です。
🧰 家庭用 救急セット(ファーストエイドキット)
軽いケガや体調不良時の応急対応に役立つ救急セット。
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「救急車を呼ぶほどじゃない」と言われやすい理由
症状がはっきりしない
多くの人が想像する「重症」は、
激痛・意識障害・出血といった分かりやすい異常だ。
しかし現実には、
初期ほど症状が曖昧な重症疾患が多い。
一時的に症状が軽くなる
- 痛みが引いた
- しびれが消えた
- 熱が下がった
これらは「治った根拠」にはならない。
特に脳・心臓・感染症は波を打つように悪化する。
本人の遠慮
「救急車は本当に必要な人が使うもの」
この意識が、症状を軽く申告する原因になる。
救急隊が最も困るのは、
正確な情報が出てこないことだ。
実は危険だった代表的な症状とケース
① 胸の違和感・軽い息苦しさ
よくある判断
- 「ズキズキしないから違う」
- 「胃の不調だと思った」
現場で実際に起きていること
心筋梗塞は、必ずしも激痛を伴わない。
特に
- 高齢者
- 糖尿病患者
- 女性
では、違和感・圧迫感・息苦しさのみのことがある。
👉 関連内部リンク
根拠リンク
- 日本循環器学会「急性冠症候群ガイドライン」
acs_guideline2025.pdf
② 片側だけのしびれ・力が入りにくい
よくある判断
- 「疲れ」
- 「寝違え」
実際の危険
脳梗塞、または一過性脳虚血発作(TIA)。
TIAは数分〜数十分で症状が消えるため、
「結局大丈夫だった」と誤解されやすい。
👉 関連内部リンク
根拠リンク
③ 強くないが続く腹痛
よくある判断
- 「胃腸炎」
- 「様子見で」
現場での実例
- 急性虫垂炎
- 腸閉塞
- 大動脈解離
「我慢できる腹痛」「歩ける腹痛」ほど、
救急隊は慎重に評価する。
根拠リンク
④ 発熱だけ・元気がない高齢者
よくある判断
- 「年のせい」
- 「風邪だろう」
実際の危険
敗血症。
高齢者では
高熱や強い痛みが出ないことが多い。
👉 関連内部リンク
根拠リンク
⑤ 子どもの「いつもと違う」
よくある判断
- 「熱が下がった」
- 「泣いていない」
実際の危険
- 髄膜炎
- 重症感染症
子どもは短時間で急変する。
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📘 いざというときの救急・応急手当ガイド
夜間や休日など、すぐに医療機関へ相談できない場面で、
「救急車を呼ぶべきか」「様子を見てよいか」の判断を助けてくれる一冊。
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救急隊が重視する危険サイン

以下のうち、一つでも該当すれば相談対象。
- いつもと違う
- 突然始まった
- 片側だけ
- 時間とともに変化
- うまく説明できない不安
これは救急隊が実際に評価で重視している視点だ。
#7119と119の正しい使い分け
119番
- 今すぐ評価が必要
- 待てない
- 意識・呼吸・症状が不安定
#7119
- 判断に迷う
- 夜間・休日
- 相談したいが緊急性が不明
👉 関連内部リンク
#7119に電話すべき?119に電話すべき? — TETSU十郎/救急救命士/防災士
総務省消防庁
救急安心センター事業(♯7119)ってナニ? | 救急車の適時・適切な利用(適正利用) | 総務省消防庁
まとめ

- 「軽い症状」=安全ではない
- 一時的な改善は根拠にならない
- 迷った時点で相談していい
救急車は、後悔を減らすためにある。
📘 いざというときの救急・応急手当ガイド
夜間や休日など、すぐに医療機関へ相談できない場面で、
「救急車を呼ぶべきか」「様子を見てよいか」の判断を助けてくれる一冊。
一般の方にも分かりやすく、家庭に1冊あると安心です。
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