インフルエンザで救急車を呼ぶべき?危険な症状と受診の目安を救急救命士が解説

「インフルエンザで40℃近い熱が出た。救急車を呼んだ方がいい?」

「子どもがインフルエンザになって、ぐったりしている」

「高齢の家族がインフルエンザと診断されたけれど、息苦しそうになってきた」

インフルエンザは毎年流行する身近な感染症です。

そのため、

「インフルエンザなら数日寝ていれば治る」

「高熱が出るのは普通だから大丈夫」

と思ってしまうこともあるかもしれません。

しかし、インフルエンザでは肺炎や脳症などの合併症を起こし、重症化することがあります。

大切なのは「何℃まで熱が上がったか」だけで判断しないことです。

インフルエンザで救急車を呼ぶべきか迷ったときは、体温だけではなく、

・意識
・呼吸
・顔色
・水分摂取
・全身状態

を確認することが重要です。

特に、

・呼びかけても反応がおかしい
・息が非常に苦しそう
・唇が紫色になっている
・けいれんが続いている
・急激に状態が悪化した

などの症状がある場合は、緊急性が高い可能性があります。

この記事では、インフルエンザでどのような症状が危険なのか、病院を受診する目安や119番通報を検討する状態について、救急救命士の視点から一般の方向けに分かりやすく解説します。

目次

まず結論|インフルエンザで重要なのは「熱の高さ」だけではない

インフルエンザでは、38℃以上の発熱や強い倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛などが現れることがあります。

しかし、

「40℃だから重症」

「38℃だから大丈夫」

と、体温の数字だけで重症度を判断することはできません。

高熱があっても、意識がはっきりしていて呼吸が安定し、水分を取れていることがあります。

反対に、熱がそれほど高くなくても、

・意識がおかしい
・呼吸が苦しい
・顔色が悪い
・水分がほとんど取れない
・けいれんしている

といった状態であれば注意が必要です。

つまり、インフルエンザの救急判断では、

「体温が何℃か」

だけではなく、

「本人の全身状態がどうなのか」

を見ることが重要です。

特に、乳幼児、高齢者、基礎疾患のある人などでは重症化に注意が必要です。

具体的な危険症状については、このあと詳しく解説します。

インフルエンザとは?

インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染によって起こる急性の呼吸器感染症です。

日本では例年、冬を中心に流行します。

主な症状として、

・発熱
・頭痛
・強い倦怠感
・筋肉痛
・関節痛
・咳
・鼻水
・のどの痛み

などがあります。

一般的な風邪と比べると、発熱や倦怠感、筋肉痛などの全身症状が急激に現れやすいことが特徴です。

ただし、すべての人に典型的な症状が出るわけではありません。

そのため、

「熱が高くないからインフルエンザではない」

「熱が高くないから重症ではない」

とは限りません。

インフルエンザと普通の風邪は何が違う?

インフルエンザも一般的な風邪も、発熱、咳、鼻水、のどの痛みなど似た症状が現れることがあります。

一般的な風邪では、

・鼻水
・鼻づまり
・のどの痛み
・咳

など、鼻やのどを中心とした症状が比較的多くみられます。

一方、インフルエンザでは、

・急な発熱
・強い倦怠感
・頭痛
・筋肉痛
・関節痛

などの全身症状が現れることがあります。

ただし、症状だけでインフルエンザかどうかを確実に判断することはできません。

新型コロナウイルス感染症をはじめ、ほかの呼吸器感染症でも似た症状が出るためです。

「症状が典型的だからインフルエンザだろう」と自己判断するのではなく、必要に応じて医療機関へ相談・受診してください。

インフルエンザが「身近だからこそ」注意したい理由

インフルエンザは毎年耳にする身近な感染症です。

多くの場合は時間の経過とともに回復します。

しかし、一部では、

・肺炎
・インフルエンザ脳症
・脱水
・持病の悪化

などを起こし、重症化することがあります。

「インフルエンザだから、このくらいの症状は普通だろう」と決めつけず、経過中の変化に注意することが重要です。

インフルエンザで119番通報を検討する危険な症状

インフルエンザで119番通報を検討する代表的な症状を確認していきます。

呼びかけへの反応がおかしい・意識が悪い

インフルエンザの経過中に、意識状態がおかしくなった場合は注意が必要です。

たとえば、

・呼びかけても反応が鈍い
・会話が成立しない
・名前や場所などが分からなくなっている
・起こしてもすぐに眠り込んでしまう
・いつもと明らかに様子が違う
・意識を失った

といった状態です。

高熱があると、だるそうにしたり、眠る時間が長くなったりすることはあります。

しかし、

「眠そうにしている」

ことと、

「意識状態が悪く、正常に反応できない」

ことは同じではありません。

一度声をかけて、

・目を開けられるか
・普段どおり会話できるか
・こちらの言っていることを理解できているか

を確認してください。

正常な反応が得られない場合は、緊急性が高い可能性があります。

特に小児では、インフルエンザの合併症としてインフルエンザ脳症を起こすことがあります。

インフルエンザ脳症については、後半で詳しく解説します。

息が苦しい・呼吸の状態がおかしい

インフルエンザでは咳が出ることがあります。

しかし、

「咳が出る」

ことと、

「呼吸そのものが苦しい」

ことは分けて考える必要があります。

注意したいのは、

・明らかに息苦しそう
・呼吸が非常に速い
・肩を上下させながら呼吸している
・横になっていられないほど苦しい
・会話を続けられない
・唇や顔色が紫色っぽい
・呼吸状態が急激に悪化した

といった症状です。

このような場合、肺炎などによって呼吸状態が悪化している可能性があります。

「インフルエンザだから咳がひどいだけ」と思い込まず、呼吸そのものが苦しそうではないかを確認してください。

けいれんが続く・繰り返す

インフルエンザの経過中にけいれんが起こることがあります。

特に子どもでは、発熱に伴って熱性けいれんを起こすことがありますが、けいれんを見ただけで家庭で原因を判断することは困難です。

特に、

・けいれんが5分以上続いている
・短時間に何度も繰り返している
・けいれんが止まっても意識が戻らない
・呼吸状態がおかしい
・顔色が明らかに悪い

場合は、119番通報を検討してください。

けいれんしている人を無理に押さえつけたり、口の中に指や物を入れたりする必要はありません。

周囲の危険な物をどかし、安全を確保します。

可能であれば、

「何時何分ごろから始まったか」

を確認してください。

けいれんの持続時間は、救急隊や医療機関が状態を判断するうえでも重要な情報になります。

唇が紫色・顔色が明らかに悪い

インフルエンザの人を観察するときは、体温計だけではなく顔色も確認してください。

特に、

・唇が紫色になっている
・顔全体が青白い
・明らかに血色が悪い
・冷や汗をかいている
・顔色が急激に変化した

場合は注意が必要です。

唇などが青紫色に見える状態は、酸素が十分に行き渡っていないときなどにみられることがあります。

呼吸困難や意識状態の悪化なども伴っている場合は、緊急性が高い可能性があります。

急激にぐったりして状態が悪化した

インフルエンザでは倦怠感が強く、元気がなくなること自体は珍しくありません。

そのため、

「寝ている=重症」

というわけではありません。

一方で、

・自力で起き上がれない
・呼びかけへの反応がいつもより悪い
・ほとんど動けない
・顔色が悪い
・呼吸も苦しそう
・短時間で急激に状態が変化した

場合は注意が必要です。

「インフルエンザならだるくて当然」と考えず、普段と比べて明らかに状態が違わないかを確認してください。

水分が取れない場合はどこまで危険?

インフルエンザでは、発熱や食欲低下によって水分摂取量が減ることがあります。

さらに嘔吐などが加わると、脱水が進む可能性があります。

注意したいのは、

・ほとんど水分を飲めない
・飲んでも繰り返し吐いてしまう
・尿が極端に少ない
・口の中や唇が非常に乾いている
・立つと強くふらつく
・ぐったりしている

といった状態です。

水分が十分に取れない状態が続く場合は、医療機関への相談・受診を検討してください。

さらに、

・意識がおかしい
・呼吸がおかしい
・自力で動けないほど状態が悪い

などの症状を伴っている場合は、緊急性が高くなります。

「熱が下がらない」だけで119番通報するべき?

インフルエンザでは発熱が数日続くことがあります。

そのため、

「39℃が続いている」

という体温の数字だけで、119番通報が必要かどうかを判断することはできません。

高熱が続いていても全身状態が比較的保たれている場合と、熱はそれほど高くなくても意識や呼吸がおかしい場合では、後者の方が緊急性が高い可能性があります。

高熱が続いて心配な場合や症状が改善しない場合は、医療機関への相談・受診を検討してください。

すぐ119番ではなくても、早めの受診を考えたい状態

すべてのインフルエンザ患者に救急車が必要なわけではありません。

一方、119番通報が必要なほどではなくても、医療機関への相談や受診を検討した方がよい場合があります。

たとえば、

・高熱や強い症状が続いている
・水分や食事を十分に取れない
・嘔吐を繰り返している
・咳が悪化している
・一度よくなったあとに再び悪化した
・持病の症状が悪化している
・本人や家族が「いつもと違う」と感じる

場合です。

特に、

「一度よくなったのに、また悪くなった」

という変化には注意してください。

肺炎などの合併症が起きている可能性もあるため、症状が悪化している場合は医療機関への相談・受診を検討してください。

救急車を呼ぶか迷ったときは?

実際には、

「明らかに救急車が必要」

「明らかに自宅で様子を見られる」

と簡単に分けられないケースもあります。

判断に迷った場合、地域によっては救急安心センター事業「#7119」を利用できます。

#7119では、

「救急車を呼んだ方がいいのか」

「今すぐ病院へ行った方がいいのか」

といった救急判断について相談できます。

ただし、

・意識がない、または明らかにおかしい
・呼吸ができない、極めて苦しそう
・唇が紫色になっている
・けいれんが続いている
・急激に状態が悪化している

など、緊急性が高いと考えられる場合は、#7119への相談を待たず119番通報を検討してください。

インフルエンザで注意したい重い合併症

インフルエンザの多くは、時間の経過とともに回復していきます。

しかし、一部では肺炎やインフルエンザ脳症などの重い合併症を起こすことがあります。

特に、

・乳幼児
・高齢者
・基礎疾患のある人
・免疫機能が低下している人

などでは注意が必要です。

また、それまで大きな問題なく経過していた人でも状態が変化することがあります。

「インフルエンザだから大丈夫」と決めつけず、経過中の変化を観察することが重要です。

子どもで特に注意したい「インフルエンザ脳症」

子どものインフルエンザで知っておきたい重い合併症の一つが、インフルエンザ脳症です。

インフルエンザの症状に加えて、

・意識がおかしい
・呼びかけへの反応が悪い
・意味の分からない言動をする
・けいれんする

などの神経症状が現れることがあります。

特に小さな子どもでは、自分の状態をうまく説明できません。

そのため、

「いつもと比べて明らかに反応がおかしい」

「目は開いているけれど会話が成立しない」

「けいれん後も普段の状態に戻らない」

といった変化を家族が見逃さないことが重要です。

高熱があると、

「熱のせいでぼーっとしているのだろう」

と思ってしまうことがあります。

しかし、意識障害やけいれんなどがみられる場合は、単なる発熱による体調不良と決めつけないでください。

「変なことを言う」=すべてインフルエンザ脳症ではない

ここは誤解しやすいポイントです。

インフルエンザにかかった子どもが突然意味の分からないことを言ったからといって、それだけでインフルエンザ脳症と判断することはできません。

インフルエンザでは、一時的な異常行動がみられることもあります。

家庭で「脳症かどうか」を判断する必要はありません。

重要なのは、

・呼びかけに正常に反応できない
・会話が成立しない
・異常な言動が続く
・けいれんを伴っている
・呼吸状態も悪い
・時間とともに状態が悪化している

など、ほかの異常がないかを見ることです。

意識障害や持続するけいれんなど、緊急性が高い症状がある場合は119番通報を検討してください。

インフルエンザの「異常行動」に注意

インフルエンザでは、小児・未成年者を中心に異常行動が報告されています。

たとえば、

・突然部屋から出ようとする
・意味の分からないことを言いながら動き回る
・窓やベランダへ向かう
・突然外へ飛び出そうとする
・話しかけても正常に反応しない

などです。

注意したいのは、異常行動そのものだけではありません。

窓やベランダからの転落、道路への飛び出しなど、重大な事故につながる可能性があります。

「タミフルを飲んだから異常行動」は正確ではない

以前、

「タミフルを飲むと異常行動が起きる」

という話を聞いたことがある人もいるでしょう。

しかし、インフルエンザ罹患時の異常行動は、特定の抗インフルエンザウイルス薬を使用した場合だけに起きるものではありません。

抗インフルエンザウイルス薬を使用していない場合にも、異常行動は報告されています。

そのため、

「薬を飲ませなければ異常行動は起きない」

とは考えないでください。

薬の種類や服用の有無にかかわらず、インフルエンザにかかった小児・未成年者では異常行動に注意する必要があります。

小児・未成年者は少なくとも発熱から2日間、事故防止に注意する

インフルエンザにかかった小児・未成年者が自宅で療養する場合は、異常行動による転落などの事故を防ぐための環境づくりも重要です。

少なくとも発熱から2日間は、一人にならないよう配慮します。

また、

・玄関や窓を確実に施錠する
・可能であれば補助錠も使用する
・ベランダに面していない部屋で寝かせる
・できるだけ1階で寝かせる
・窓から簡単に外へ出られない環境にする

など、事故を防ぐ対策も考えてください。

これは抗インフルエンザウイルス薬を飲んでいる場合だけの注意ではありません。

薬の種類や服用の有無にかかわらず注意が必要です。

高齢者では肺炎と「いつもと違う」に注意

高齢者のインフルエンザでは、肺炎などの合併症に注意が必要です。

また、

「高熱が出ていないから大丈夫」

とは限りません。

家族が確認したいのは、

・急に食事が取れなくなった
・水分を飲まなくなった
・いつもよりぼんやりしている
・急に立てなくなった
・寝ている時間が極端に増えた
・呼吸が速くなった
・咳や痰が悪化した
・普段できていたことができなくなった

などの変化です。

体温だけを見るのではなく、

「昨日までと何が違うのか」

を確認することが大切です。

一度よくなってからの悪化にも注意

インフルエンザの症状が一度軽くなったあとに、再び状態が悪化する場合も注意が必要です。

たとえば、

・再び発熱する
・咳が強くなる
・痰が増える
・息苦しくなる
・食事や水分が取れなくなる
・強い倦怠感が出てくる

などです。

インフルエンザに伴って肺炎などの合併症を起こすことがあります。

特に高齢者や免疫機能が低下している人では、細菌による肺炎を伴い重症化することがあります。

「熱が一度下がったから治った」

と決めつけず、その後の経過も確認してください。

基礎疾患がある人は早めに医療機関へ相談する

基礎疾患がある人では、インフルエンザによってもともとの病気が悪化したり、重症化したりする可能性があります。

特に、

・呼吸器の病気
・心臓の病気
・糖尿病などの代謝性疾患
・腎機能の障害
・免疫機能が低下している状態

などがある場合は注意が必要です。

普段から治療を受けている人は、

「どの程度悪くなったら受診するか」

「インフルエンザが疑われる場合にどうするか」

について、かかりつけ医に確認しておくと安心です。

また、インフルエンザをきっかけに持病の症状が明らかに悪化した場合は、早めに医療機関へ相談してください。

抗インフルエンザウイルス薬について

インフルエンザでは、患者の状態などに応じて抗インフルエンザウイルス薬が使用されることがあります。

ただし、

「インフルエンザなら全員が必ず抗インフルエンザウイルス薬を飲まなければならない」

というものではありません。

治療が必要か、どの薬を使用するかは、年齢、症状、発症からの時間、基礎疾患などを考慮して医師が判断します。

抗インフルエンザウイルス薬は、発症から48時間以内に開始すると、発熱期間を通常1~2日短縮し、ウイルス排出量を減らす効果が期待されます。ただし、すべての患者に投与が必要なわけではなく、使用の必要性は医師が判断します。

自己判断で薬を中止したり、家族に処方された薬を使用したりせず、医師や薬剤師の指示に従ってください。

抗菌薬(抗生物質)はインフルエンザウイルスには効かない

インフルエンザはウイルスによる感染症です。

抗菌薬は細菌に対して使用する薬であり、インフルエンザウイルスそのものには効果がありません。

ただし、インフルエンザに伴って細菌性肺炎などを合併した場合には、その治療として抗菌薬が使用されることがあります。

つまり、

「インフルエンザだから抗菌薬」

ではなく、

「細菌感染を合併しているため抗菌薬」

という場合があります。

自宅での体調管理に|非接触体温計

インフルエンザの自宅療養中は、体温を定期的に測って記録しておくと、症状の経過を把握しやすくなります。

非接触タイプなら短時間で測定しやすく、家族の体調管理にも活用できます。

ただし、体温の数字だけで重症度を判断せず、意識・呼吸・顔色・水分摂取などもあわせて確認してください。

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水分・電解質補給に|OS-1 オーエスワン

発熱や嘔吐などによって水分や電解質が失われた場合に備えて、経口補水液を準備しておく方法もあります。

OS-1(オーエスワン)は、脱水状態のときに水分と電解質を補給するための経口補水液です。

ただし、インフルエンザだから必ず必要というものではありません。水分をほとんど取れない、繰り返し吐く、ぐったりしている場合は、経口補水液だけで様子を見続けず、医療機関への相談・受診を検討してください。

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家庭内の感染対策に|不織布マスク

インフルエンザの流行時期に備えて、不織布マスクを家庭にストックしておくのも一つの方法です。

家族に感染者が出た場合や、受診・外出が必要になったときにも使用できます。

マスクだけに頼るのではなく、手洗い・咳エチケット・換気などの基本的な感染対策と組み合わせて活用してください。

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自宅療養では「体温」だけでなく経過を見る

インフルエンザで自宅療養するときは、

「熱が何℃あるか」

だけを記録するのではなく、

「昨日と比べてよくなっているのか、悪化しているのか」

という経過も確認してください。

特に、

・普段どおり会話できるか
・呼吸が苦しそうではないか
・水分を飲めているか
・尿が極端に減っていないか
・顔色に大きな変化がないか
・異常な言動がないか
・症状が急激に悪化していないか

などを観察します。

これらを確認しておくと、医療機関へ相談するときにも状態を伝えやすくなります。

水分補給は無理のない範囲で少しずつ

発熱すると、汗や呼吸などによって水分を失いやすくなります。

食欲が落ちれば、食事から摂取していた水分も減ります。

自宅療養中は、水分が取れているかを確認してください。

吐き気などがある場合、一度に大量に飲むと吐いてしまうこともあります。

本人が飲める範囲で、少量ずつ水分を取る方法もあります。

ただし、

・ほとんど水分を取れない
・飲んでも繰り返し吐く
・尿が極端に少ない
・ぐったりして状態が悪化している

場合は、自宅での水分補給だけで様子を見続けず、医療機関への相談・受診を検討してください。

意識や呼吸などにも異常がある場合は、119番通報を検討する状態になります。

家庭内で感染を広げないために

インフルエンザは、咳やくしゃみなどによる飛まつ感染や接触感染などによって広がります。

家庭内でも、

・こまめに手洗いをする
・咳やくしゃみをするときは口や鼻を覆う
・体調が悪い人は無理に外出しない
・必要に応じてマスクを活用する
・室内の換気を行う

など、基本的な感染対策を行います。

特に同居している家族に高齢者や基礎疾患のある人がいる場合は、家庭内で感染を広げないことも重要です。

自宅での体調管理に|非接触体温計

インフルエンザの自宅療養中は、体温を定期的に測って記録しておくと、症状の経過を把握しやすくなります。

非接触タイプなら短時間で測定しやすく、家族の体調管理にも活用できます。

ただし、体温の数字だけで重症度を判断せず、意識・呼吸・顔色・水分摂取などもあわせて確認してください。

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水分・電解質補給に|OS-1 オーエスワン

発熱や嘔吐などによって水分や電解質が失われた場合に備えて、経口補水液を準備しておく方法もあります。

OS-1(オーエスワン)は、脱水状態のときに水分と電解質を補給するための経口補水液です。

ただし、インフルエンザだから必ず必要というものではありません。水分をほとんど取れない、繰り返し吐く、ぐったりしている場合は、経口補水液だけで様子を見続けず、医療機関への相談・受診を検討してください。

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家庭内の感染対策に|不織布マスク

インフルエンザの流行時期に備えて、不織布マスクを家庭にストックしておくのも一つの方法です。

家族に感染者が出た場合や、受診・外出が必要になったときにも使用できます。

マスクだけに頼るのではなく、手洗い・咳エチケット・換気などの基本的な感染対策と組み合わせて活用してください。

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インフルエンザで救急車を呼ぶか迷ったときのFAQ

最後に、インフルエンザの救急判断で迷いやすいポイントをまとめます。

Q1.インフルエンザで40℃の熱があります。救急車を呼ぶべきですか?

40℃という体温だけで、救急車が必要かどうかを判断することはできません。

重要なのは、意識・呼吸・顔色・水分摂取などの全身状態です。

高熱があっても意識がはっきりしていて、呼吸が安定し、水分を取れていることがあります。

反対に、熱がそれほど高くなくても、

・呼びかけへの反応がおかしい
・呼吸が苦しそう
・唇が紫色になっている
・けいれんが続いている
・急激に状態が悪化した

などの症状がある場合は、119番通報を検討してください。

Q2.インフルエンザで熱が下がりません。何日続いたら危険ですか?

「発熱が○日続いたら必ず危険」という単純な線引きはできません。

日数だけではなく、

・症状が悪化している
・水分が取れない
・咳や息苦しさが強くなった
・一度よくなったあとに再び悪化した

などの変化がないかを見ることが重要です。

高熱が続いて心配な場合や症状が改善しない場合は、医療機関へ相談してください。

発熱そのものの救急判断については、当サイトの「発熱・高熱」の記事でも詳しく解説しています。

Q3.インフルエンザで寝てばかりいます。危険ですか?

インフルエンザでは強い倦怠感が出ることがあり、普段より長く眠ることがあります。

重要なのは、

「寝ているか」

ではなく、

「起こしたときに正常に反応できるか」

です。

声をかけても反応が鈍い、会話が成立しない、意味の分からないことを言うなど、普段とは明らかに違う反応がある場合は注意してください。

Q4.子どもがインフルエンザで変なことを言っています。脳症ですか?

異常な言動があっただけで、インフルエンザ脳症と判断することはできません。

家庭で脳症かどうかを判断する必要もありません。

確認したいのは、

・呼びかけへの反応がおかしい
・会話が成立しない
・異常な状態が続いている
・けいれんしている
・呼吸状態が悪い

などの変化です。

意識障害や持続するけいれんなど、緊急性が高い症状がある場合は119番通報を検討してください。

Q5.タミフルを飲ませなければ異常行動は起きませんか?

そうとは限りません。

インフルエンザ罹患時の異常行動は、抗インフルエンザウイルス薬を使用していない場合にも報告されています。

そのため、薬の種類や服用の有無にかかわらず、小児・未成年者では異常行動に注意してください。

特に発熱から少なくとも2日間は、転落などの事故を防ぐため、一人にならないよう配慮することが重要です。

Q6.インフルエンザで水分が取れません。救急車が必要ですか?

ほとんど水分を飲めない、飲んでも繰り返し吐く、尿が極端に少ない場合は、医療機関への相談・受診を検討してください。

さらに意識や呼吸、顔色などにも異常がある場合は、119番通報を検討してください。

Q7.高齢者のインフルエンザは何に注意すればいいですか?

高齢者では、肺炎などによって重症化することがあります。

高熱が出ていないから大丈夫とは限りません。

・食事や水分が急に取れなくなった
・いつもよりぼんやりしている
・急に立てなくなった
・呼吸が速くなった
・咳や痰が悪化した

など、「普段との違い」に注意してください。

Q8.救急車を呼ぶほどか分かりません。どうすればいいですか?

緊急性が明らかではなく、救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合は、利用できる地域では救急安心センター事業「#7119」に相談する方法があります。

ただし、

・意識がない、または明らかにおかしい
・呼吸ができない、極めて苦しそう
・唇が紫色になっている
・けいれんが続いている
・急激に状態が悪化している

などの場合は、#7119への相談を待たず119番通報を検討してください。

最後に確認|インフルエンザの7つのチェックポイント

インフルエンザになった家族を自宅でみるときは、体温だけではなく次の7項目を確認してください。

意識

普段どおり受け答えできていますか?

呼びかけに正常に反応できますか?

呼吸

息苦しそうではありませんか?

呼吸が極端に速くなっていませんか?

顔色

顔が青白くなっていませんか?

唇が紫色になっていませんか?

水分

水分を飲めていますか?

尿が極端に減っていませんか?

けいれん

けいれんしていませんか?

長く続いたり、繰り返したりしていませんか?

行動

普段と明らかに違う言動や異常行動はありませんか?

経過

昨日よりよくなっていますか?

それとも悪化していますか?

一度よくなったあとに再び悪くなっていませんか?

これらは、体温だけでは分からない状態の変化に気づくためのポイントです。

明らかな異常がある場合は、

「インフルエンザだから仕方ない」

と決めつけず、状態に応じて医療機関への相談・受診や119番通報を検討してください。

まとめ|インフルエンザは「何℃か」だけで判断しない

インフルエンザで救急車を呼ぶべきか迷ったときに重要なのは、体温の数字だけではありません。

特に注意したいのは、

・意識がおかしい
・呼吸が苦しい
・唇が紫色になっている
・けいれんが続いている
・急激に状態が悪化した

などの症状です。

このような緊急性が高い症状がある場合は、119番通報を検討してください。

また、乳幼児ではインフルエンザ脳症、高齢者では肺炎などの重い合併症にも注意が必要です。

小児・未成年者では異常行動が報告されているため、抗インフルエンザウイルス薬の種類や服用の有無にかかわらず、少なくとも発熱から2日間は一人にならないよう配慮するなど、転落等の事故を防ぐ対策も重要です。

インフルエンザは身近な感染症だからこそ、

「このくらいなら普通だろう」

という思い込みに注意してください。

「何℃あるのか」だけではなく、

「いつもの本人と比べて何が変わったのか」

を見ることが、危険な状態に気づくための重要なポイントです。

関連記事

インフルエンザでは、発熱だけでなくさまざまな症状が現れることがあります。

症状ごとの救急判断について詳しく知りたい場合は、次の記事も参考にしてください。

・発熱・高熱で救急車を呼ぶべき?危険な症状と119番の判断基準

・けいれんが起きたら救急車を呼ぶべき?119番する症状と対応

・息苦しいとき救急車を呼ぶべき?危険な症状と受診の目安

・嘔吐で救急車を呼ぶべき?119番する症状と自宅で様子を見られる目安

・立てない・歩けないとき救急車を呼ぶべき?危険な症状と119番の目安

参考文献・公的資料

この記事は、以下の公的機関が公表している情報などを参考に作成しています。

・厚生労働省「インフルエンザQ&A」

・厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」

・厚生労働省「インフルエンザの発生状況」

厚生労働省「インフルエンザ罹患時の異常行動による転落等の事故防止について」

・国立健康危機管理研究機構(JIHS)「インフルエンザ」

・総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)」

※本記事は、インフルエンザの診断や個別の治療方針を決定するものではありません。症状や経過には個人差があります。緊急性が高いと考えられる場合は119番通報を検討し、判断に迷う場合は医療機関や地域の救急電話相談などを利用してください。

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インフルエンザの自宅療養中は、体温を定期的に測って記録しておくと、症状の経過を把握しやすくなります。

非接触タイプなら短時間で測定しやすく、家族の体調管理にも活用できます。

ただし、体温の数字だけで重症度を判断せず、意識・呼吸・顔色・水分摂取などもあわせて確認してください。

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OS-1(オーエスワン)は、脱水状態のときに水分と電解質を補給するための経口補水液です。

ただし、インフルエンザだから必ず必要というものではありません。水分をほとんど取れない、繰り返し吐く、ぐったりしている場合は、経口補水液だけで様子を見続けず、医療機関への相談・受診を検討してください。

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家庭内の感染対策に|不織布マスク

インフルエンザの流行時期に備えて、不織布マスクを家庭にストックしておくのも一つの方法です。

家族に感染者が出た場合や、受診・外出が必要になったときにも使用できます。

マスクだけに頼るのではなく、手洗い・咳エチケット・換気などの基本的な感染対策と組み合わせて活用してください。

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