【症状別・時間帯別に救急隊が解説】


はじめに|「救急車を呼ぶほどではない」と思った判断が、命を左右することがあります

夜中や休日、突然体調が悪くなったとき。
多くの人が、まずこう考えます。

「救急車を呼ぶのは大げさかもしれない」
「もう少し様子を見たほうがいいのではないか」
「迷惑をかけたくない」

この“ためらい”は、誰にでも起こる自然な感情です。
しかし、救急の現場では 「呼ばなかったことを後悔する人」 を数え切れないほど見てきました。

実際に多いのは、
「症状が軽いと思っていた」
「夜だったから我慢した」
という理由で受診が遅れ、
結果的に重症だったケースです。

この記事では、救急隊の立場から
**「救急車を呼ぶか迷ったときの判断基準」**を
症状別・時間帯別に、できるだけ分かりやすく解説します。


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救急車を呼ぶ判断で最も多い勘違い

「我慢できる=軽症」ではありません

救急現場で重症だった人の多くが、
次のように話します。

  • 「最初は我慢できた」
  • 「少し休んだら楽になった」
  • 「前にも似た症状があった」

しかし、症状が一時的に軽くなることと、重症でないことは別です。

特に次の病気は、
症状が出たり引いたりすることが知られています。

  • 心筋梗塞
  • 脳梗塞
  • 大動脈解離
  • 消化管出血

胸の症状については、
▶︎ 胸が苦しいときの危険サインを詳しく解説した記事

夜中に親が「胸が苦しい」と言ったらどうする? — TETSU十郎/救急救命士/防災士も参考になります。


救急車を呼ぶか迷ったら考えてほしい3つの視点

「いつもと違う」と感じるか

  • 初めての症状
  • 今までにない強さ
  • 言葉で説明しにくい違和感

「何かおかしい」と感じた時点で、
体はすでに異常を知らせています。

時間とともに悪化していないか

  • 痛みが強くなっている
  • 範囲が広がっている
  • 新しい症状が出てきた

症状が変化している場合、
様子を見る理由はありません。

迷っている時点で「相談してよい」

救急車は、
重症と確信した人だけのものではありません。

「迷っている人」が相談するための仕組みでもあります。


【症状別】今すぐ救急車を呼ぶべきサイン

胸が苦しい・胸が痛い

次の症状があれば、
迷わず救急車を要請してください。

  • 胸が締めつけられる、圧迫されるような痛み
  • 痛みが5分以上続く
  • 肩・背中・顎・左腕に広がる
  • 冷や汗、吐き気、息苦しさを伴う

これらは 心筋梗塞 でよく見られる症状です。

【根拠】
厚生労働省|心筋梗塞
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411.html

より詳しい判断基準は、
▶︎ 「胸が苦しいとき救急車を呼ぶ基準」
心筋梗塞とは?──原因・症状・治療・予防をわかりやすく解説 — TETSU十郎/救急救命士/防災士


片側のしびれ・力が入らない

  • 片側の手足が動かしにくい
  • 片側だけしびれる
  • 言葉が出にくい
  • ろれつが回らない
  • 顔の片側が下がる

これらは 脳卒中(脳梗塞・脳出血) を疑う症状です。

脳卒中は「時間=脳」と言われ、
治療開始までの時間が予後を大きく左右します。

【根拠】
日本脳卒中協会
https://www.jsa-web.org/

症状の見分け方は、
▶︎ 突然「片側だけ」しびれる…救急車を呼ぶべき危険サインを救急隊が解説 — TETSU十郎/救急救命士/防災士


息が苦しい・呼吸がおかしい

  • 息苦しくて横になれない
  • 呼吸が異常に速い、または遅い
  • ゼーゼー・ヒューヒューする
  • 唇や顔色が紫っぽい

呼吸の異常は、短時間で急変することがあります。

【根拠】
消防庁|救急受診ガイド
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/


強い頭痛・突然の頭痛

  • 今までにない激しい頭痛
  • 突然発症した頭痛
  • 頭痛と同時に吐き気・意識障害

これは くも膜下出血 などの可能性があります。

【根拠】
日本脳神経外科学会
https://jns.or.jp/


【時間帯別】夜間・休日に判断を誤りやすい理由

救急現場で特に多いのが、
夜間に判断が遅れるケースです。

  • 病院が閉まっている
  • 家族を起こしたくない
  • 朝まで様子を見よう

しかし、重症患者ほど
夜間・早朝に悪化する傾向があります。

夜中に症状が出た時点で、
それは「様子を見る理由」ではなく
**「早めに相談すべきサイン」**です。

夜中に親が「胸が苦しい」と言ったらどうする? — TETSU十郎/救急救命士/防災士


「救急車を呼ぶのは迷惑では?」という不安

この質問は本当によく聞かれます。

結論から言うと、
迷って相談することは迷惑ではありません。

救急隊にとって最もつらいのは、
「もっと早く呼んでいれば助かったかもしれない」
というケースです。

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「様子を見る」が許される条件

次の条件を すべて満たす場合のみ
様子を見る判断が考えられます。

  • 症状が明らかに改善している
  • 意識・会話・呼吸が正常
  • 原因がはっきりしている
  • 一人で水分が取れる
  • 周囲に見守る人がいる

それでも不安があれば、
119番で相談して問題ありません。


119番通報時に伝えてほしいこと

119番では、次の情報を伝えてください。

  • いつから症状が出たか
  • 症状の内容と変化
  • 今の状態(会話・呼吸・歩行)
  • 持病・服薬

詳しくは、
▶︎ 救急隊が本当に知りたい119番通報のポイント
救急隊が本音で教える 119番通報で「本当に」伝えてほしい5つのこと — TETSU十郎/救急救命士/防災士


救急車を呼ばなかった人が後悔する共通点

救急現場で見えてきた共通点があります。

  • 「自分は大丈夫だと思った」
  • 「迷惑をかけたくなかった」
  • 「夜だったから我慢した」

▶︎ 救急車を呼ばなかった人が後悔する共通点
救急車を呼ばなかった人が後悔する5つの共通点 — TETSU十郎/救急救命士/防災士


まとめ|迷ったら「呼ぶ」が正解

最後に、救急隊として一番伝えたいことです。

救急車は、
重症と確定した人だけのものではありません。
「迷っている人」のためのものです。

  • 呼んで後悔することはほとんどありません
  • 呼ばなかった後悔は、長く残ります

あなたと、あなたの大切な人が
その後悔をしないことを心から願っています。

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