尿が突然、赤色やピンク色、茶褐色になったら、「血が出ている?」「大きな病気では?」「救急車を呼んだほうがいい?」と不安になると思います。
血尿が出たからといって、すべてのケースで救急車が必要になるわけではありません。
一方で、血尿に加えて全身状態の悪化、強い痛み、尿が出ないなどの症状がある場合には、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
また、注意したいのが「痛くない血尿」です。
痛みがないから軽症とは限りません。肉眼で確認できる血尿は、尿路の悪性腫瘍などが原因となることもあるため、症状がなくても放置しないことが重要です。
この記事では、
・血尿で救急車を呼ぶ目安
・早めに医療機関を受診したほうがよい症状
・痛みのない血尿を放置してはいけない理由
・血尿が起こる仕組み
・症状から考えられる血尿の主な原因
について順番に解説します。
「救急車を呼ぶべきか」「自分で病院へ行けるのか」を判断するための参考にしてください。
【結論】血尿で救急車を呼ぶべき?
血尿を認めたときは、「尿がどれくらい赤いか」だけで緊急性を判断することはできません。
重要なのは、
① 全身状態が悪くなっていないか
② 強い痛みがないか
③ 尿が出ているか
④ 発熱や悪寒などの感染症状がないか
を確認することです。
血尿そのものだけでなく、一緒に出ている症状から緊急性を判断します。
今すぐ119番を考える危険なサイン
次のような症状を伴っている場合は、血尿だけの問題ではなく、緊急性の高い状態になっている可能性があります。
① 意識がおかしい・ぐったりしている
・呼びかけへの反応が悪い
・意識がもうろうとしている
・立っていられないほどぐったりしている
・顔色が明らかに悪い
・冷や汗が出ている
・失神した、または失神しそうになる
このような症状がある場合は、血尿の原因よりも全身状態の評価が優先されます。
119番通報を検討してください。
② 激しい腹痛・腰痛・背中の痛みで動けない
尿管結石などでは、脇腹から背中、下腹部にかけて非常に強い痛みが出ることがあります。
特に、
・痛みが非常に強く動けない
・冷や汗が出る
・何度も吐いてしまう
・自力で医療機関へ行くことが難しい
といった状態であれば、救急要請を考えます。
「血尿があるから救急車」ではなく、「症状が強く、自力で受診できる状態か」という視点が重要です。
血尿とともに強い腹痛がある場合は、痛みの強さや一緒に現れている症状から緊急度を判断することも大切です。
腹痛で救急車を呼ぶべき症状については、以下の記事で詳しく解説しています。
【腹痛】救急車を呼ぶ基準は?危険な腹痛の見分け方と受診の目安
③ 尿がまったく出ない
血尿では、膀胱内で血液が固まり「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊ができることがあります。
この血餅が尿の出口を塞ぐと、尿を出したくても出せなくなることがあります。
・強い尿意があるのに尿が出ない
・下腹部が張って強く痛む
・血の塊が尿に混じったあと、尿が出なくなった
このような場合は、血餅による尿閉などが考えられ、速やかな医療処置が必要になる可能性があります。
自力で受診することが難しいほど症状が強い場合には、119番通報を検討してください。
④ 発熱・悪寒とともに全身状態が悪い
血尿に、
・発熱
・強い悪寒、震え
・腰や背中の痛み
・吐き気、嘔吐
・ぐったりしている
・意識状態がおかしい
などを伴う場合、腎盂腎炎などの尿路感染症が重症化している可能性があります。
感染症が全身に波及すると、敗血症へ進行することがあります。
特に意識障害や著しい全身状態の悪化がある場合には、119番通報を考えてください。
強い痛みや感染症などでは、血尿とともに吐き気や嘔吐が現れることもあります。
嘔吐が続いている場合の救急車を呼ぶ目安については、以下の記事も参考にしてください。
嘔吐で救急車を呼ぶべき?119番する症状と自宅で様子を見られる目安

救急車を呼ぶほどではなくても、早めに受診すべき血尿
「痛くない」「普通に歩ける」という場合でも、肉眼で分かる血尿は放置しないことが重要です。
特に注意したいのが、痛みのない肉眼的血尿です。
痛みのない血尿では、
・膀胱がん
・腎盂・尿管がん
・腎がん
などの泌尿器系疾患が原因となることがあります。
血尿が一度だけ出て、その後いつもの尿に戻ることもありますが、「血尿が止まった=病気が治った」とは判断できません。
一度でも明らかな血尿を認めた場合は、痛みがなくても放置せず、泌尿器科などの医療機関へ相談してください。
健診で「尿潜血陽性」と言われた場合は?
目では分からなくても、尿検査によって血液の存在を指摘されることがあります。
これは肉眼的血尿とは分けて考えます。
尿潜血反応が陽性になった場合には、尿沈渣などによって実際に赤血球が増えているかを確認し、その結果や年齢、既往歴などを考慮して原因を調べていきます。
血尿の原因には、尿路の病気だけでなく、腎臓の糸球体に由来する病気もあります。
健診で再検査や精密検査を指示された場合には、症状がなくてもその指示に従って受診しましょう。
血尿の緊急度を簡単に整理すると
【119番を考える】
・意識がおかしい、ぐったりしている
・激しい痛みなどで自力受診が困難
・尿が出ず、強い下腹部痛がある
・発熱や悪寒に加えて全身状態が悪い
・失神や著しい顔色不良などがある
【早めに医療機関へ相談】
・肉眼で分かる血尿が出た
・痛みのない血尿が出た
・排尿時痛や頻尿などを伴う
・腰や背中の痛みを伴う
・血尿を繰り返している
【健診などで尿潜血を指摘された】
・再検査や精密検査の指示に従う
・症状がなくても放置しない
血尿では「赤い尿=救急車」「痛くない=大丈夫」と単純に判断することはできません。
救急車が必要かどうかは、全身状態、痛み、発熱、尿が出ているかなどを合わせて判断することが大切です。
血尿はなぜ起こる?尿に血が混じる仕組み
血尿とは、尿の中に赤血球が混じっている状態です。
原因を理解するために、まず尿がどこでつくられ、どのように体外へ排出されるのかを確認しましょう。
尿が体外へ出るまでの流れ
尿は次の経路を通ります。
腎臓 → 腎盂 → 尿管 → 膀胱 → 尿道 → 体外
腎臓でつくられた尿は腎盂に集まり、尿管を通って膀胱へ送られます。膀胱にたまった尿は、尿道を通って体外へ排出されます。
この腎臓から尿道までの尿の通り道を「尿路」と呼びます。
腎臓ではどのように尿がつくられる?
腎臓には「糸球体」と呼ばれる、血液をろ過する仕組みがあります。
糸球体では血液から水分や老廃物などがろ過され、その後、必要な水分や電解質などが再吸収されながら尿がつくられます。
正常な糸球体では、赤血球のような血液中の細胞成分はほとんど尿中へ漏れません。
しかし、糸球体に炎症や障害が起こると、赤血球が尿中へ漏れ出して血尿となることがあります。
血尿はさまざまな場所から起こる
血尿の原因は腎臓だけではありません。
・腎臓
・腎盂
・尿管
・膀胱
・前立腺
・尿道
など、尿がつくられて体外へ排出されるまでのさまざまな場所から出血する可能性があります。
原因も、
・糸球体など腎臓そのものの病気
・尿路結石
・尿路感染症
・腫瘍
・外傷
・前立腺の病気
などさまざまです。
そのため、「尿が赤い」という情報だけで原因を特定することはできません。
痛み、発熱、排尿時の症状、血尿が続く期間などを合わせて評価する必要があります。

血尿には「目で見える血尿」と「検査で分かる血尿」がある
血尿は大きく、
① 肉眼的血尿
② 顕微鏡的血尿
に分けられます。
肉眼的血尿
自分の目で見ても尿が赤色、ピンク色、褐色などに変化している状態です。
血尿の程度や原因によって尿の見え方は異なりますが、尿の色だけから出血している場所や病気を断定することはできません。
顕微鏡的血尿
見た目では通常の尿と変わらなくても、尿検査によって赤血球が確認される状態です。
健康診断などをきっかけに発見されることがあります。
肉眼的血尿と顕微鏡的血尿では、その後の評価方法や病気のリスクが異なるため、分けて考えることが重要です。
危険な血尿を見分ける4つのポイント
血尿を見たときは、尿の色だけではなく、
① 痛みがあるか
② 発熱や悪寒があるか
③ 尿が出ているか
④ 全身状態はどうか
を確認することが重要です。
ここからは、症状別に考えてみましょう。
① 痛みのない血尿
痛みがないのに、突然尿が赤くなることがあります。
この「無痛性肉眼的血尿」は、放置してはいけない重要な症状です。
原因はさまざまですが、特に除外する必要があるのが尿路の悪性腫瘍です。
代表的なものとして、
・膀胱がん
・腎盂・尿管がん
・腎がん
などがあります。
悪性腫瘍による血尿では、痛みなどの症状をほとんど伴わないことがあります。
また、一度血尿が出たあと、自然に見えなくなる場合もあります。
そのため、「昨日は赤かったけれど、今日は普通だから大丈夫」とは判断できません。
一度でも肉眼で確認できる血尿があった場合には、痛みがなくても医療機関へ相談しましょう。
② 激しい痛みを伴う血尿
腰、背中、脇腹、下腹部などの強い痛みとともに血尿が出る場合、尿路結石などが考えられます。
特に尿管結石では、
・突然の強い脇腹や背中の痛み
・痛みが強くなったり弱くなったりする
・吐き気、嘔吐
・冷や汗
・血尿
などを伴うことがあります。
結石が尿管を移動することで尿路が刺激され、血尿が生じることがあります。
ただし、「激痛+血尿=必ず尿路結石」と自己判断することはできません。
腹部や背部の激しい痛みには、尿路以外の緊急性の高い病気が含まれることもあります。
痛みが非常に強く自力で受診できない、ぐったりしているなどの場合には、119番通報を検討してください。
③ 発熱・悪寒を伴う血尿
血尿に発熱や悪寒、腰や背中の痛みなどを伴う場合には、尿路感染症が腎臓まで及んでいる可能性があります。
代表的なのが急性腎盂腎炎です。
急性腎盂腎炎では、
・発熱
・悪寒
・腰や背中の痛み
・吐き気、嘔吐
・排尿時痛
・頻尿
などがみられることがあります。
感染が重症化すると、敗血症を起こすことがあります。
特に、
・意識がおかしい
・ぐったりしている
・顔色が明らかに悪い
・呼吸が苦しい
・立っていられない
など全身状態の悪化がみられる場合は、緊急性が高くなります。
血尿や発熱の程度だけではなく、全身状態を合わせて判断することが重要です。
血尿だけでなく発熱を伴っている場合は、体温だけでなく、意識状態や悪寒、ぐったりしていないかなども確認してください。
発熱で救急車を呼ぶべき症状については、以下の記事で詳しく解説しています。
【発熱・高熱】救急車を呼ぶ基準は?危険な症状と受診の目安
④ 血尿が出たあと、尿が出なくなった
血尿では、膀胱内にたまった血液が固まり「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血の塊をつくることがあります。
この血餅が尿の出口を塞ぐと、尿を出したくても出せなくなる「尿閉」を起こすことがあります。
・強い尿意があるのに尿が出ない
・下腹部が張って痛い
・血の塊が尿に混じっている
・少量しか尿が出ない状態が続いている
といった症状に注意してください。
尿閉では膀胱に尿がたまり続けるため、速やかな医療処置が必要になることがあります。
医療機関では、必要に応じて尿道カテーテルによる排尿や、血餅を除去する処置などが行われます。
尿がまったく出ず強い下腹部痛がある、自力で受診できないほど状態が悪い場合には、119番通報を検討してください。

血尿で重要なのは「血の色」より一緒に出ている症状
血尿を見ると、「どれくらい赤いか」が気になると思います。
しかし、救急車を呼ぶかどうかは、尿の色だけでは判断できません。
特に注意したいのは、
・血尿+意識がおかしい
・血尿+動けないほどの激痛
・血尿+尿が出ない
・血尿+発熱・悪寒+全身状態が悪い
といった組み合わせです。
一方で、痛みも発熱もないからといって、血尿を放置してよいわけではありません。
「今すぐ救急車が必要か」と「原因を調べるために受診が必要か」は、分けて考えることが大切です。
血尿が出たときに自宅でできること
血尿が出たとき、自宅で血尿そのものを止める特別な応急手当はありません。
大切なのは、状態を確認しながら適切な受診につなげることです。
① 全身状態を確認する
まず確認したいのは、尿の色よりも全身状態です。
・意識はいつもどおりか
・強い腹痛、腰痛、背中の痛みはないか
・発熱や悪寒はないか
・吐き気や嘔吐はないか
・尿は出ているか
・顔色が悪い、冷や汗が出る、ぐったりするなどの症状はないか
これらを確認してください。
意識がおかしい、激しい痛みで動けない、尿がまったく出ない、発熱や悪寒とともに全身状態が悪いなどの場合は、119番通報を検討します。
② 尿の状態を確認する
受診時に説明できるよう、可能であれば次のような点を確認しておきましょう。
・いつから血尿が出たか
・何回くらい続いているか
・どのような色だったか
・血の塊が混じっていたか
・排尿の最初から最後まで赤かったか
・排尿時の痛みがあったか
可能であれば、尿の状態をスマートフォンで撮影しておくのも一つの方法です。
受診するまでに尿の色が元に戻った場合でも、実際の状態を医療者へ伝える参考になります。
③ 服用している薬を確認する
血尿の診察では、現在服用している薬の情報も重要です。
特に抗凝固薬や抗血小板薬など、血液を固まりにくくする薬を使用している場合は、受診時に医師へ伝えてください。
ただし、血尿が出たことを理由に処方薬を自己判断で中止するのは避けてください。
薬を続けるか中止するかは、医師に相談して判断します。
血尿が出たときにやってはいけないこと
① 「痛くないから大丈夫」と放置する
血尿では「痛くない=軽症」とは限りません。
特に痛みのない肉眼的血尿では、尿路の悪性腫瘍などが隠れていることがあります。
血尿が止まったとしても、それだけで原因となった病気がなくなったとは判断できません。
一度でも明らかな血尿を認めた場合には、放置せず医療機関へ相談してください。
② 尿が出ないのに無理に大量の水を飲まない
血尿とともに、
・強い尿意がある
・下腹部が張って痛い
・それなのに尿がまったく出ない
という場合には、血餅などによって尿の出口が塞がれている可能性があります。
「水をたくさん飲めば尿が出るかもしれない」と考えて、無理に大量の水分を摂るのは避けてください。
尿がまったく出ず、強い下腹部痛がある場合には、速やかに医療機関へ相談してください。
③ 処方薬を自己判断で中止しない
抗凝固薬や抗血小板薬を服用している場合でも、「薬のせいだろう」と考えて自己判断で中止するのは避けてください。
これらの薬は、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓性疾患を予防する目的で処方されていることがあります。
血尿が出た場合には、服用している薬を医師へ伝え、その後の対応を相談してください。
④ 市販薬だけで様子を見続けない
痛みがある場合に鎮痛薬を使用すること自体を、一律に避ける必要はありません。
重要なのは、薬で症状が軽くなったことを理由に必要な受診を先延ばしにしないことです。
特に、
・肉眼的血尿がある
・血尿を繰り返している
・発熱を伴う
・強い痛みがある
・尿が出にくい、または出ない
などの場合には、薬だけで様子を見続けず医療機関へ相談してください。
血尿を予防することはできる?
血尿は一つの病気ではなく、さまざまな病気によって起こる「症状」です。
そのため、「これをすれば血尿を完全に予防できる」という方法はありません。
ただし、原因となる一部の尿路疾患では、生活習慣の見直しが予防につながる場合があります。
尿路結石を予防する
尿路結石を繰り返す人では、水分摂取や食生活の見直しが重要になります。
一般的には、
・脱水を避ける
・適切な水分摂取を心がける
・塩分の過剰摂取を避ける
・偏った食生活を避ける
などが基本です。
ただし、必要な水分量は体格、運動量、気温、基礎疾患などによって異なります。
心臓や腎臓の病気などで水分制限を指示されている場合には、その指示を優先してください。
尿路感染症を繰り返す場合
尿路感染症を繰り返している場合には、自己流の予防だけで対応せず、原因について医療機関へ相談しましょう。
背景に尿路結石や排尿障害などが隠れていることもあります。
健康診断の尿検査も大切
血尿には、自分の目では分からない「顕微鏡的血尿」もあります。
健康診断などで尿潜血や血尿を指摘され、再検査や精密検査を勧められた場合には、症状がなくても指示に従って受診しましょう。
「血尿を治す」より「原因を見つける」ことが重要
血尿が出たときに重要なのは、自宅で尿の色を元に戻すことではなく、なぜ血尿が起きているのかを確認することです。
尿路結石、尿路感染症、腎臓の病気、前立腺の病気、悪性腫瘍など、血尿を起こす原因はさまざまです。
血尿が一度で止まったとしても、それだけで原因がなくなったとは判断できません。
自己判断で放置せず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
まとめ|血尿は「痛みがあるか」だけで判断しない
血尿が出たからといって、すべてのケースで救急車が必要になるわけではありません。
救急車を呼ぶか判断するときに重要なのは、血尿の色や量だけではなく、一緒に出ている症状です。
【119番を考える症状】
・意識がおかしい、反応が悪い
・ぐったりしていて明らかに全身状態が悪い
・激しい腹痛、腰痛、背中の痛みなどで自力受診が困難
・強い尿意があるのに尿がまったく出ず、下腹部が強く痛む
・発熱や悪寒に加えて全身状態が悪い
・失神した、または失神しそうになる
このような場合には、119番通報を検討してください。
一方で、
「救急車が必要ない=受診しなくていい」
ではありません。
特に、肉眼で分かる血尿は、痛みがなくても放置しないことが重要です。
血尿では、
① 全身状態
② 痛み
③ 発熱・悪寒
④ 尿が出ているか
を確認し、緊急性を判断しましょう。
そして、緊急性が高くなくても、明らかな血尿が出た場合には原因を調べることが大切です。
救急車を呼ぶか迷った場合には、地域によっては救急安心センター事業(♯7119)などの電話相談を利用できます。
ただし、意識がおかしいなど明らかに緊急性が高い場合には、電話相談を挟まず119番通報を優先してください。
血尿に限らず、意識がおかしい、動けないほど症状が強いなど、救急車を呼ぶべきか迷う症状があります。
「救急車を呼ぶべき危険な症状7選」では、119番通報を検討したい代表的な症状をまとめています。判断に迷ったときの参考にしてください。
FAQ|血尿についてよくある質問
Q1. 一度だけ血尿が出て、その後普通の尿に戻りました。受診したほうがいいですか?
A. 肉眼で明らかな血尿を認めたのであれば、一度だけでも医療機関へ相談してください。
血尿は一時的に出現したあと、見た目では分からなくなることがあります。
特に痛みのない肉眼的血尿では、尿路の悪性腫瘍などを除外する必要があります。
「元の色に戻ったから治った」と自己判断しないことが重要です。
Q2. 痛みのない血尿のほうが危険なのですか?
A. 「痛みがない=必ず重症」という意味ではありません。
しかし、痛みのない肉眼的血尿は、膀胱がんをはじめとした尿路の悪性腫瘍などでみられることがあります。
一方、激しい痛みを伴う血尿では尿路結石などが考えられます。
痛みの有無だけで血尿の原因や重症度を判断することはできません。
Q3. 食べ物や薬で尿が赤くなることはありますか?
A. あります。
食品や薬剤などによって、血尿ではなくても尿が赤色やオレンジ色などに変化することがあります。
例えば、ビーツなどの食品や一部の薬剤によって尿の色が変化することがあります。
ただし、見た目だけで本当の血尿なのかを確実に判断することは困難です。
明らかな赤い尿が出た場合には自己判断せず、医療機関へ相談してください。
服用している薬がある場合には、お薬手帳などを受診時に持参するとよいでしょう。
Q4. 健康診断で「尿潜血陽性」と言われました。症状がなくても受診が必要ですか?
A. 健診結果に再検査や精密検査の指示がある場合は、その指示に従ってください。
尿潜血反応が陽性だからといって、それだけで特定の病気が決まるわけではありません。
尿中の赤血球の有無などを確認し、必要に応じて原因を調べていきます。
症状がなくても、再検査や精密検査の指示を放置しないことが大切です。
Q5. 生理中に尿が赤くなりました。血尿でしょうか?
A. 生理中は尿に経血が混入することがあり、見た目だけでは尿路からの出血なのか判断できない場合があります。
尿検査でも、経血の混入によって尿潜血が陽性になる可能性があります。
検査のタイミングについては医療機関の指示に従ってください。
ただし、
・明らかに尿そのものが赤い
・強い腹痛や腰痛がある
・発熱や悪寒がある
・尿が出ない
・全身状態が悪い
などの場合には、「生理だから」と決めつけず医療機関へ相談してください。
Q6. 血尿が出たら水をたくさん飲んだほうがいいですか?
A. 血尿が出た人全員に、大量の水分摂取を勧めることはできません。
特に、強い尿意があるのに尿がまったく出ない場合には、血餅などによる尿閉の可能性があります。
水を大量に飲んで解決しようとせず、速やかに医療機関へ相談してください。
また、水分摂取量を制限されている人は、医師からの指示を優先してください。
Q7. 血液をサラサラにする薬を飲んでいます。血尿が出たら薬を止めるべきですか?
A. 自己判断で中止しないでください。
抗凝固薬や抗血小板薬は、脳梗塞や心筋梗塞などを予防する目的で処方されていることがあります。
血尿が出た場合には、服用している薬を医師へ伝え、継続・中止について相談してください。
参考文献・参考資料
・血尿診断ガイドライン改訂委員会「血尿診断ガイドライン2023」
・日本泌尿器科学会「患者さんのための泌尿器科の病気に関する情報」

